2025年度に採用された警察官の卵たちが、職務に必要な知識や実技を学ぶ宮城県警察学校にkhb東日本放送の記者が体験入校しました。警察官を志望する若者が減少する中、警察は市民の安全を守る仕事の魅力をアピールします。

 名取市の宮城県警察学校には4月に採用された初任科生など計147人が在籍し、日々警察官として必要な知識や技能の習得に励んでいます。

 記者が最初に体験したのは逮捕術の授業です。犯人を効果的に制圧する警察独自の武術です。

 教官「しっかりね、狙った部分に当てられるように、強い打撃を当てられるようにやっていきましょう」

 学生「はい!」

 塩月菜々瀬記者「胴、胴、小手、小手」

 続いて行われたのは鑑識の授業です。空き巣や車上荒らしの被害を想定し、犯人が触れた場所を調べます。白い粉末をまとわせたブラシを優しく一定方向に滑らせると、指紋が浮かび上がりました。シートで採取し、捜査の材料となります。

 部隊活動の訓練は、グラウンドで実際に機動隊員の装備を着けて行います。体力自慢の学生たちも、きついと口をそろえます。

 塩月菜々瀬記者「装備が本当に重くて、立っているだけでも気を抜くと後ろに倒れてしまいそうですけど、学生さんが元気出して走っているところ見たら、自分も頑張んなきゃなと思って」

 厳しい規律の下で過ごす警察学校での寮生活で、学生たちのよりどころは仲間です。

 「みんなで同じ目標に向かって進んでいるので、警察官になりたいという意思を持ちながら授業するのも楽しいですけど、やっぱり寮に帰ってからリフレッシュして同じ部屋の人と話すのが楽しいです」「警察学校に入って良かったなと思っています」「常に市民の方を第一に考えて、常に冷静で的確な判断ができる頼もしい警察官になりたいと思ってます」

 初任科生はここで6カ月から10カ月間学んだ後、宮城県各地の交番などに配属されます。

 宮城県の警察官採用試験の受験者数は、10年前の1006人に比べ2024年度は432人と半分以下に減っていて、志願倍率は2.5倍と平成以降で最低となっています。 こうした中、警察の仕事の魅力を伝えようと19日に警察官や警察職員を志す高校生以上を対象に、オープンキャンパスが開催されました。

 宮城県警察学校には県内外から約70人が集まり、初任科生が実際に使用している寮や食堂などを見学しました。

 今回初めて行われた車で移動する際の要人警護の実演や、警察車両の展示に乗車体験など、めったに経験できない貴重な時間を過ごしていました。

 参加者「警察の人ってやっぱり格好いいなって、礼儀作法もちゃんとしていて、きちんとしてるっていうところが見られて良かったなと思います」「駅伝をやっていて白バイに興味を持って、私も将来白バイに乗って町の安全を守る格好いい警察官になりたい」

 宮城県警警務課千田丈晴課長補佐「人のために役に立ちたいですとか、仕事を通じてやりがいを感じたいという気持ちのある方は、1人でも多くですね宮城県警察の採用試験を受験していただければ幸いです」

 採用に当たり、2021年度からは年齢制限を33歳から35歳に引き上げるなど、裾野を広げる取り組みを進めています。

 2025年度の志願者募集は、8月22日までです。