東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件の裁判で贈賄の罪に問われている「KADOKAWA」の元会長は「全く身に覚えのないこと」と訴え、改めて無罪を主張しました。

 出版大手「KADOKAWA」の元会長・角川歴彦被告(82)は組織委員会の元理事・高橋治之被告(81)に対し、大会スポンサーの選定などを巡って便宜を受けたいと依頼し、賄賂を渡した罪に問われています。

 これまでの裁判で検察側は「公的な大会を一企業のために利用しようとした責任は重大」などとして、角川被告に懲役3年を求刑しています。

 3日に東京地裁で開かれた弁論で、弁護側は検察側が示した証拠について「故意や共謀を直接裏付けるようなものは存在しない」と指摘しました。

 関係者の証言については「検察官との打ち合わせにより記憶の変容が生じている。結論ありきで想像に基づいて述べている」などとして改めて無罪を主張しました。

 また、角川被告は最終意見陳述で「身に覚えのない事実を認めることは私のかけがえのない人生を毀損させる」と述べました。

 判決は来年1月22日に言い渡される予定です。