華々しい株式上場からわずか10カ月余りで粉飾決算が発覚し、上場廃止に追い込まれたAI開発会社のオルツ。臨時の株主総会が開かれる予定でしたが、成立しませんでした。

■株暴落820円→5円 幹部を直撃

「テレビ朝日です。株主や従業員に伝えたいことは?」 「オルツの粉飾は主導されたんでしょうか?」

 番組スタッフの問いかけに答えることなく建物に入っていくのは、オルツの幹部です。臨時株主総会は異例の事態となりました。

 2014年に創業し、去年10月に東証グロース市場に創業10年で上場を果たしたオルツ。AIを駆使した議事録サービスを売りにしていました。

 しかし、今年4月に売り上げの過大計上の疑いが浮上。調査の結果、売上高の9割およそ119億円を水増ししていたことが発覚しました。

 新規上場時、1株540円で売り出され、一時820円台まで上昇した株価は急落。わずか10カ月余りで100分の1以下に暴落し、先月31日には上場廃止となり、株式市場から退場しました。

■株主怒り「信頼したのに」集団訴訟へ

 都内に住む40代の男性は、将来性に魅力を感じオルツ株取得に3000万円を投じましたが、1900万円の損失が生じました。

「徐々に怒りに変わってきまして、今回の損失って本当に自己責任なのかなって、強く感じるようになって」

 男性を含め86人の株主がオルツに対して、およそ4億5000万円の損害賠償を求める方針です。

山崎・丸の内法律事務所 山崎大樹弁護士 「会社が言っているだけでなくて、監査法人という資格を持った第三者がチェックした数字なので。信頼したうえで投資するかどうかを決めているので、そこを疑ってかかるというのは難しいのかなと思います」

 体制を刷新するため、オルツは3日に都内で臨時株主総会を開こうとしましたが…。

オルツ関係者 「大変申し訳ないですが、本総会を延期させていただくことをご提案させていただきます」

 議案の決議に必要な議決権数に達しなかったため、総会は成立しませんでした。

 後日、改めて株主総会を開く方針です。

(「グッド!モーニング」2025年9月4日放送分より)