人手不足を背景に、企業の人材獲得競争が激化しています。売り手市場で新社会人に求められる心得とは。1日に宮城県の多くの企業では2026年春に入社する学生の内定式が行われました。
このうち、トヨタ自動車東日本の内定式には事務・技術職の77人が出席しました。コンパクトカーの好調さを背景に、事務・技術職としては過去最多の内定者数です。
会社は辞退者が出ないようにインターンシップに力を入れ、入社後の仕事のイメージを持てるようにしたということです。
内定者北條大輝さん「この東北の地から、日本そして世界中多くの方々に日々の生活を豊かにするようなコンパクトカー、車をお届けできるようにこれから日々努力していきたい」
アイリスオーヤマ大山晃弘社長「世界では経済成長、AIやEVといった技術的な革新。今大きな追い風が吹いている」
アイリスグループの入社式は、2020年の新型コロナの感染拡大以降リモート形式で行われてきましたが、6年ぶりに内定者全員が顔をそろえました。
内定者は約340人で、食品の輸出など海外事業を強化していることからグローバル人材の採用を約2倍にしたということです。
内定者伊澤七海さん「海外経験やボランティア活動の経験などで培った柔軟性と行動力を生かして、時代の変化に対応できるような社員になっていきたいと思っております」
七十七銀行の大卒内定者は78人、このうち約半分が宮城県外の出身者です。
地域の企業として外からの視点も取り入れようと、県外出身者やグローバルな人材を積極的に採用したということです。
内定者國分拓夢さん「改めて一社会人として一銀行員として、やはり身が引き締まるというか、キリッとした感情です。お客様であったり、色々な人から信頼される誠実さと責任感を持った社会人になっていきたいと思っております」
大卒者の就職内定率は96.3%と、バブル期に近い売り手市場です。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「ただでさえ人口が減少して若い人材を囲い込もうという企業は、積極的に採用を働き掛けている」
七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、この採用活動のあり方を守りの姿勢と指摘します。
田口庸友首席エコノミスト「とにかく人口(働き手)を確保しなければならないという一種の恐怖感のようなものもあって、採用に走っている。言ってみれば、攻めの採用というよりは守りの採用になっているといった部分があると思います」
「人工知能AIの発展、普及によってホワイトカラー労働の多くの部分が代替されるという可能性が指摘されています。どのぐらいの期間になるか分かりませんけれども、今後そういった採用意欲が落ちていく可能性があると思います」
新社会人に求められるのは、自分だけの強みを持つことだといいます。
田口庸友首席エコノミスト「雇用が量より質に変わってくることが考えられます。自分らしい個性や持ち味を磨いて、企業や社会のニーズに合うよう常にリスキリングをしていく努力を続けることが大事」