今度は秋田市の市街地で同じ住宅がクマに狙われています。5日間で3度も。緊迫の一部始終をカメラが捉えました。

■ヒグマたびたび出没 数百万円の損害

 リンゴ農園に仕掛けた箱わなに巨大なヒグマが。体長約1メートル60センチの成獣です。北海道砂川市で22日午前10時半ごろの映像です。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長 「果樹園でリンゴを食べてかなり被害を与えたヒグマ。そのヒグマを捕獲するためにターゲットを絞って捕獲した」

 こちらの農園にはヒグマが度々、出没。リンゴを食い荒らされ、数百万円の損害が出ているといいます。

 これまでに農園の敷地内でヒグマ4頭を捕獲。市内全体でも過去最多のペースに…。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長 「砂川市では銃では(駆除)しない。13頭捕獲、過去一番多い」

 市内の別の場所でも朝からヒグマが出没。農業用ハウスに入っていきます。このヒグマは市の職員が市街地から追跡してきたといいます。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長 「“あのヒグマ”で間違いない」

 “あのヒグマ”とは、3日前に住宅近くの畑に現れた個体です。ヒグマが農作物の草を集めて獲物のシカを隠しています。

 「土まんじゅう」と呼ばれる行為で、ヒグマが食べ物に執着する様子を捉えた貴重な映像です。猟友会が撮影しました。

北海道猟友会砂川支部 池上治男支部長 「このヒグマが離れた時に居付いたら困るので、シカの死骸は取り除いた。離れたヒグマが市街地をうろうろして、何日かかけて徘徊(はいかい)している行動パターン。その途中で農業用ハウスに入る行動をした」

 収穫を迎えているシャインマスカットもヒグマの被害に遭っています。甘い果実を求め、ヒグマの行動はより大胆に…。

 シャインマスカットを保管していた小屋にヒグマが侵入。すべて食べ尽くして去っていったといいます。

■保育園に侵入 泣きだす子も

 保育園の庭にクマが侵入。21日午後3時ごろ、青森市の保育園で緊迫の事態。クマは遊具の脇を通り、柵の隙間から住宅の方向へ。

 クマが現れたのは園児たちが帰宅する直前でした。

細越保育園 佐藤ひろみ園長 「園バスでちょうど出る時間帯、帰る準備をしていたら、職員が『あそこにクマがいる』と。そこから見ていたら、隣の住宅から園庭の方に渡ってきて、びっくり。(クマは)ゆっくり歩いていたが、子どもたちの声を聞いて隣の住宅の方に走っていった」

 クマは目撃から5分ほど園庭にとどまり、去っていきました。

■緊迫 新興住宅地でもクマ 庭先に3度

 秋田県の市街地にもクマが現れています。21日午前6時半ごろ、新興住宅地を歩くのは体長50センチほどとみられる子グマです。

 犬の散歩に出掛けようとした人が目撃しました。近くの茂みから飛び出してきたといいます。

 秋田市の住宅の庭先では…。

住民 「クマ来た!同じ道じゃない?通ってくるの」

 庭のフェンスにぴったりと張り付くクマが。この住宅には5日間で3回もクマが現れていました。

 犬の鳴き声に驚いたのか、クマは茂みへ。

住民 「ちょっと、いいよパパ行かないで、危ないから」

 庭の飼い犬が激しく吠えます。

 クマが現れたのは午前8時45分ごろ。

住民 「朝の8時45分、前回とほぼ同じ時間だったので、まさかこんなにすぐ出るなんて思っていなかった」

 実はこの3日前にも同じ場所にクマが出没。時間は同じく午前8時45分ごろでした。

 家庭菜園のミニトマトなどを狙っているのでしょうか。さらに2度目の出没の翌日にも…。これで3度目です。

住民 「(家族)全員でびっくりした。毎朝、外を気にして。毎日来るようになったらどうしたらよいのだろうかと。去年は1回も出なかった。娘が裏の保育園に通っていて、そっちでも目撃されている」

■玄関で襲撃も

 福島県では22日、80代の夫婦が自宅でクマに襲われる被害が出ています。

 午前7時半ごろ、会津美里町で妻がごみを出すために玄関を出ると突然、体長1メートルほどのクマに襲われ、顔などをけがしました。妻の「クマだ」という叫び声を聞いて駆け付けた夫もクマに襲われています。

 自治体は不要不急の外出を控えるように呼び掛けています。