宮城県産生食用カキの出荷が解禁となり、出荷作業が進められ初入札が行われました。3年連続で県の指針より約1カ月遅れての解禁です。
石巻市のカキ処理場では、27日朝早くから出荷に向けた殻剥き作業が行われました。
全体的に小ぶりですが、実入りが良く味も良いということです。
午後には入札も行われ、宮城県各地からむき身にされたカキ6.6トンが運び込まれました。
品質が良く、最も高い物で10キロ当たり前年より5600円高い5万2600円で取り引きされました。
宮城県漁協阿部輝喜かき部会長「生で味わってもらいたいので、おいしくできた牡蠣を生で1回食べてもらえたらなと思います」
県漁協では、今シーズンの生産量を前年より約100トン多い830トンと見込んでいます。
気仙沼大島の亀山地区でも、津波被害を乗り越えカキの出荷に向けた準備が進められています。
7月のカムチャツカ半島沖地震による津波で全体の9割に当たる120台のカキ養殖施設に被害が確認されました。
このうちヤマヨ水産では、津波被害だけでなく夏場の海水温上昇による死滅で出荷できるカキは、仕込んだ数の3割ほどに落ち込む見込みです。
しかし、最近の気温の低下や雨量の増加でカキの実入りは良くなっていて、おいしいカキが期待できるということです。
ヤマヨ水産小松武社長「大勢の方からふるさと納税やクラウドファンディングなど、様々な形で支援いただいてやっとここまで来られたので、感謝の気持ちを持ってカキをお届けしたいと思います」
気仙沼市が9月末まで行ったクラウドファンディングでは、全国から約6400万円の支援があり、集まった寄付金は養殖施設の修復などに活用されるということです。