災害が起きた時に、大切な家族であるペットの命をどのように守りますか。
飼い主「この子たちは一応クレート(犬用のケース)とかに入れて一緒に避難しようかなと。他のワンちゃんには吠えがちなので、あまり吠えないようには普段から言っているんですけど、そういった時はどうなるのかなってちょっと不安ではあります」「一緒に避難できるかどうかは、いつも不安に感じてますよね。ワンちゃん好きな人もいるし嫌いな人もいるので、そこでどう共存できるかなと心配にはなっていますね」
一緒に避難することに様々な不安を抱えている飼い主たち。あす来るかもしれない大災害に備えて、ペットのために準備すべき7つのポイントをお伝えします。
東日本大震災では、一度避難した飼い主がペットを避難させるため自宅に戻り津波に流されてしまったケースや、取り残されたペットが繁殖し大量の子猫が生まれてしまったケースもありました。
こうした経験から、環境省は災害時ペットを連れて一緒に避難する同行避難を推奨しています。宮城県では2017年に地域防災計画が修正され、避難所は可能な限りペットを同行する避難者の受け入れ体制を整備することが明記されました。
しかし、避難所という慣れない環境でペットが食欲不振や排泄障害になってしまうこともあります。こうしたトラブルからペットを守るために今備えるべき7つのポイントです。
ペット防災について教えてくれるのは、NPO法人エーキューブの後藤美佐さんと千葉浩二さんです。
エーキューブ後藤美佐さん「そこの場所にいたら命が危ないという時には、迷わずにペットとペットに必要な避難グッズを持って逃げるということが大切だと思っています」
東日本大震災の際、エーキューブは避難所での情報収集やフードやペットシーツの配布などペットの支援に取り組みました。
エーキューブが勧める7つの備えです。
①最低限のしつけ
エーキューブ後藤美佐さん「ずっと吠え続けると周りの人に迷惑にもなってしまいます」
無駄吠えをさせないこと、おいでやまてを覚えさせることが大切です。
②誰のペットか一目で分かるように、大事なペットには飼い主の名前や連絡先が書かれた迷
子札を必ず付けておきましょう。
エーキューブ後藤美佐さん「一番外れない、途中で落としたり無くなったりしないのが、マイクロチップになります」
動物の体内に埋め込む、世界で1つだけの識別番号が記録されたマイクロチップは専用リーダーで読み込むことでペットと飼い主の情報が詳細に分かります。
③ケージなどで暮らせるように、避難所ではケージ内での生活が基本となります。
「もしクレートケージに入れない犬や猫がいたら、ケージの中でおいしい物をあげる。いい匂いするね、何だろう、中入ってって。はい、お利口って言って中にあげる。入ったって言ってすぐ閉めると閉じ込められた感があるので、このまましばらくは入る行為だけを強化していきます」
慣れていない避難所という環境で、ケージを落ち着ける場所にしておくとペットのストレス軽減につながります。
④健康管理はしっかりと、様々な人や動物が集まる避難所で互いの健康を守るために、ワクチン接種やノミやダニの予防をしておくこともマナーの1つです。
⑤ペット用避難グッズの用意
ペット用の支援物資は、人の物資よりも届くのが遅い可能性があります。できれば1週間分は用意しておきましょう。ペットフードや水、常備薬など基本的な避難グッズのほかにトイレはこんな工夫も。
エーキューブ後藤美佐さん「猫砂は重いんですよね。実は猫ちゃんって少しでも入っていると、排泄してくれることが多いんですね。代替品として軽いっていうことでシュレッターをかけたものを一緒に混ぜてあげる」
ただ、神経質な猫もいるため事前に一度試しておくことが大切です。
⑥避難場所の確認
いざという時のスムーズな避難のために、避難経路を日頃の散歩コースに入れておくことも効果的です。
⑦ペットの輪を広げておく
いざという時に助け合えるように、日頃のコミュニケーションが大切です。定期的に行われる地域の防災訓練にも参加しておくと安心です。
エーキューブ後藤美佐さん「大切なペットを守るのは、飼い主さんしかいないと思っていただきたいんですね。ペットの物は必ず飼い主が責任を持って準備する。しつけも1つの準備です。おとなしくしていられる、そういったことは毎日、今からできることなので、もしかしたら来るかもしれない準備をしておいてくださいっていうことが、一番伝えたいことになります」