日本生命保険の子会社ニッセイ・ウェルス生命保険は金融機関への出向者が無断で情報を持ち出したケースが943件確認されたと発表しました。

 ニッセイ・ウェルスによりますと、2019年4月から今年4月までの間、金融機関に出向していた社員9人が合わせて943件の内部情報を無断で持ち出していたということです。

 出向先は三井住友銀行とみずほ銀行の2社でした。

 出向者は資料をスマートフォンで撮影するなどして他の保険会社の商品情報などをウェルス側に渡し、金融機関を担当する部署で販売促進などに活用していました。

 今回の件を受け、ニッセイ・ウェルスは担当役員を減給処分にしましたが、対象人数や減額の規模は明らかにしていません。

 一方、同様の持ち出しがこれまでに約600件発覚している親会社の日本生命は出向者を含む30人程度を処分しました。

 このうち、金融法人部門の担当役員と部長クラスは減給としています。

 朝日社長や清水会長、経団連会長を務める筒井特別顧問については処分はしなかったものの、それぞれ報酬を自主返納したと説明しました。