江戸時代に造られた人工的な水路で、2024年に世界かんがい施設遺産に登録された宮城県大崎市の南原穴堰を認定した国際機関の会長らが視察しました。
大崎市鳴子温泉の南原穴堰は、山あいの地域で米作りができるよう江戸時代の初期に造られた農業用水路です。
川から水を引き山の中を縫って流れる全長1.9キロの水路のうち、7割が人力で堀ったトンネルです。
わずかな高低差に傾斜をつけて水を流していて、当時の技術の高さが伺えます。
南原穴堰は2024年9月に歴史的、技術的価値が認められ世界かんがい施設遺産に登録されました。2017年に認定された世界農業遺産、大崎耕土の重要な構成要素でもあります。
10日、世界かんがい施設遺産に認定した国際かんがい排水委員会のマルコ・アルシエリ会長が南原穴堰を訪れました。
会長は、水路を維持管理する地元住民らから穴堰は今でも農業用水路として使われていて、各地で水不足が起きた2025年夏も水源が枯れることは無かったと説明を受けていました。
マルコ・アルシエリ会長「これほど素晴らしい構築物を見ることはなかなかない」
会長はこの施設が自然と調和して機能していることは重要な意味があり、世界に発信していきたいと語りました。
伊藤康志大崎市長「この大切なシステム、機能をみんなで支えて次の時代に引き継いでいきたいと思っております」