電子マネーをだまし取られる特殊詐欺の被害を防ごうと、宮城県警が購入者に注意を促すカードケースを作り訓練を行いました。

 訓練は、富谷市のコンビニエンスストアで行われました。宮城県住みます芸人のお野菜太郎さんが扮した高齢者が、電子マネーを購入しようと店を訪れます。

 高齢者がレジに来ると、店員は詐欺の手口などが書かれたカードケースを手渡して注意を促しました。

 店員「買われた方にカードケース配られているんですね。ここに書いてあるような内容で、何か心当たりはありませんかね。指示されているとなれば心配なので」

 宮城県の2025年の特殊詐欺の被害件数は321件で、約3割が架空請求によるものです。

 被害者の多くは電子マネーを購入させられ、だまし取られています。

 ローソン富谷西沢店島貫幸さん「大丈夫だからそんなんじゃないからって言って、来られる方が多いんです。一緒に相談してあげられる形が取れたらいいなと思っています」

 宮城県住みます芸人お野菜太郎さん「いつでも買える物なので1回立ち止まって、1回2回3回何回でも考えて、ご家族にも相談してから購入してもいいんじゃないかと思います」

 カードケースは、宮城県のコンビニ47店に計6000部配布されます。

 深刻な詐欺被害が続く中、宮城県警が実際の電話の音声を公開しました。警察官を名乗り「逮捕状が出ている」と不安をあおる巧妙な手口が明らかになりました。

 宮城県の男性に大阪府警の警察官、加藤を名乗る男からLINEで警察手帳を示され、電話がかかってきました。

 偽警察官「検事が既に逮捕状を発行しているようなんですね。協力をしないと逮捕されて家族にも迷惑掛かると思いますし」

 男は偽の逮捕状の画像まで送りつけ、信用させようとします。

 男性「何だこれ、秘密保護法ということで大阪地方検察庁、司法検察官さんの印鑑があって容疑者になってますね私」

 偽警察官「犯罪に関わっているのではないかと、逮捕して取り調べをしてくださいということになってしまっている」

 男性「私は黒ですって。だから逮捕状も出しますってなってるっていう状態ですもんね」

 そして偽警察官は、捜査への協力を求めてきます。

 偽警察官「紙幣調査、資金が本当に犯罪に関わっていないかを調べる必要があるんです。大体1週間から2週間ぐらいで調査が全て完了して、犯罪に関わっていないことが確認取れ次第、容疑を取り下げますとなるんです」

 男性「どういった協力をすればよろしいのでしょうか」

 偽警察官「金融庁の口座にお振込みしていただきます。お振込みの上で、金融庁で紙幣のナンバーを控えて照会にかけて、紙幣がしっかりとした資金だということを調査をします」

 男性が銀行に行くことをが難しいと伝えますが。

 男性「足と腰ちょっと調子悪くて、なかなかそっちこっちに出歩けるような状態でないんですよ」

 偽警察官「1つ提案というよりも、すごく簡単簡単。ネットバンキングアプリをインストールします」

 男性「そういうのってさ、すごく俺にとってはね。俺にとってはすごく難しいし」

 偽警察官「冤罪で捕まったりとか逮捕されて無駄な時間を留置所で過ごしたり、刑務所に行ってしまってはもう時が遅いんですよ。ネットバンクを開設して、はいっていう感じですぐに終わるわけじゃないですか。分かりますか」

 警察は、SNSや電話で取り調べはしないと注意を呼び掛けています。