人の生活圏でもクマの出没が後を絶たちません。宮城県名取市では公園周辺に相次いで出没したため立ち入りを禁止して、箱わなを設置しました。

 川村彩音「クマが必死に抵抗して逃げようとしていますが、わなに掛かってしまっているので逃げることができない状況です」

 鈴木暁人記者「大学の敷地内にクマが出ました。クマが走って逃げていきます」

 人の生活圏で次々と目撃されるクマは、住宅の敷地内や学校など身近な場所での出没が相次いでいます。

 名取市の十三塚公園では2日、付近でクマの目撃があり翌日から公園内が立ち入り禁止となりました。

 住民「1人だと狙われたらどうやって逃げようかなとか思いながら。きょろきょろして音がしただけでもね」

 13日までの間にクマの目撃が5件あり、市は14日から公園内に箱わなを設置することにしました。

 名取市農林水産課相澤雅彦次長兼課長「テグスのような黒い糸のような物がありますが、クマが引っ掛かるとストッパーが外れます。外れるとワイヤーが緩み、檻が落ちる」

 わなの中には、クマの餌として柿やハチの巣が置かれています。

 公園の近くには学校や病院もあり、少ない箱わなを優先順位をつけながら設置しているということです。

 名取市農林水産課相澤雅彦次長兼課長「捕獲器については3機ございまして、簡単に置けるというわけでもないですから、自治体の方でも数はあまり持っていないということがあると思う」

 名取市では、クマの目撃が2024年は約20件だったのに対し、2025年は既に40件を超えているということです。

 公園に近い仙台高等専門学校名取キャンパスでは、敷地内で複数回クマが目撃されていて、12日から21日までリモート授業に切り替えて対応しています。

 相次ぐクマの出没で、観光名所にも影響が出ています。

 伊達政宗が眠る仙台市青葉区の瑞鳳殿では、15日から紅葉のライトアップが始まりましたが、13日夜に敷地内で木に登ろうとしている体長約1メートルのクマ1頭が目撃されたため、一部のエリアを閉鎖して警戒しています。

 「封鎖されることが無かったので、こんなことは初めてなので本当に怖い」「対策されているので安心して来れたと思います」

 管理する団体では、職員が爆竹を鳴らして警戒に当たっている他、観覧の料金を通常よりも割り引いて対応しています。

 瑞鳳殿中村良幸事務局長「我々でできうる限りの対策を講じながら、お客様には楽しんでいただきたいと思っております」