いつ起きてもおかしくない首都直下地震。新たな被害想定で火災による高齢者の犠牲者が増えることが明らかになりました。そこで注目されているのが、火災を減らす装置。簡単に取り付けることができるんです。

■被害減らす「感震ブレーカー」

首都直下地震対策検討WG 増田寛也主査 「依然として被害の絶対量は極めて大きいという認識」

 12年ぶりに更新した首都直下地震の被害想定。死者数は最大1万8000人、前回の想定よりも減少しています。    しかし、「10年間で半減させる」と掲げた政府の目標には及びませんでした。

 犠牲者の6割以上の死因が火災です。高齢化に伴って在宅率が上がるため、住宅火災などで死亡する人の割合が増加しているということです。

 そこで、政府が進めていきたい対策が…。

首都直下地震対策検討WG 家田仁主査代理 「感震ブレーカーを付けるぐらいで、ものすごく効果が大きい」

 「感震ブレーカー」の導入です。今は20%程度の普及率が100%になれば、火災による被害が7割以上減らせるとしていますが、どんなものなのでしょうか。

 簡単に設置できる感震ブレーカーを開発した東京・稲城市の会社を取材しました。

日本防災スキーム 佐藤央社長 「これが今作っている感震ブレーカーのデモ機。これが感震ブレーカーの本体」 記者 「小さいですね」

 これだけで、震度5強以上の揺れを検知すると、ブレーカーが自動的に落ちるようになります。

日本防災スキーム 佐藤央社長 「(Q.“バチン!”という音は?)ブレーカーが落ちる音です」

 これは漏電対策を利用した仕組みだといいます。揺れを検知すると「この装置」から疑似の漏電信号を発信、漏電が起きたと判断させブレーカーが落ちるようになっています。

日本防災スキーム 佐藤央社長 「火災で問題になるのは避難した後に燃えることが多い。ブレーカーが勝手に落ちてしまえば(大地震の時に)1つやるべきことが減る」

 価格は9000円程度。感震ブレーカーには様々なタイプがあり、自治体による補助や配布などの支援が広がっています。