ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、原油価格が高騰しています。燃料の値上がりによる経費の増加などが予想され、宮城県の観光業者が先行きを不安視しています。

 宮城県有数の観光地、松島で遊覧船を運航する丸文松島汽船では遊覧船や定期便など1日13便のほか客が多い時は臨時便を出していて、燃料として1日に使う重油や軽油は多い日は1000リットルにもなります。

 重油と軽油は、前週だけで1リットル当たり30円ほど値上がりしたといいます。

 丸文松島汽船鈴木一也業務部長「1カ月当たり大体100万円近い経費増になるとは思うんです。これからもっと燃料油は上がっていくのかな、という危機感はありますよね」

 マイカーやバスで訪れる人が多い松島は、燃料費の高騰が続けば移動などにかかる費用も増えるため、客足が鈍るのではとも心配しています。

 丸文松島汽船鈴木一也業務部長「これから先、不透明なのがちょっと不安に思われますよね。なるべく早めに解決していただければなと」

 中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰ですが、長期化する恐れも出ています。宮城県への影響と今後の見通しについて、専門家に聞きました。

 アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まって2週間余りが経過し、イランは原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を事実上封鎖する対抗措置を続けています。

 日本が輸入している原油の9割以上が中東産で、その大半がホルムズ海峡を通過しています。

 封鎖によって安定供給への不安が高まり原油価格が高騰し、宮城県でも仙台市で1リットル当たり200円台をつけたガソリンスタンドがありました。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「ガソリンへの価格転嫁が相当以上に早くて、しかも値上げ幅も大きいと。非常に影響が出るのが早い、という印象があります」

 ガソリン価格は政府による暫定税率廃止を受けて下落傾向でしたが帳消しになったと指摘し、宮城県民には特に負担になるということです。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「宮城県は他の県に比べても車社会ということがあって、家計に占めるガソリン価格の割合が高い状況がありますので、家計に対する影響は大きいということが言えると思います」

 問題をめぐっては、イラン側がホルムズ海峡の封鎖を続けると表明し長期化する可能性が出てきました。

 この場合、影響は家計だけにとどまらないと田口さんは話します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「特に宮城県は漁業、重油を使う漁業や農業にも影響が大きいですし、また成長産業であるインバウンドを支える観光業、バスやタクシーなどを抱えているといったところで影響も大きいということで、ほぼ全ての企業、家計に影響するということは間違いないと思います」

 今後の見通しについて田口さんは、仮に戦闘が終結しても中東情勢の緊張は続き、原油価格の上昇圧力も高い状態が続く恐れがあると指摘したうえで、政府に安定供給への対応を求めるとともに国民は冷静に行動してほしいと話しています。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「いわゆるパニックですね、買い占めとか極端な行動に出て混乱して価格が吊り上がったり需給が乱れたりと。政府は冷静な行動を呼び掛けていますが、何よりも早く大元の原油が安定供給が確保できると、それに勝る対策はないということなので」