宮城県の大河原町と柴田町に広がる一目千本桜が、7日に満開になりました。
1日に開花し気温の高い日が続いたことから、開花から1週間足らずで満開になりました。
美しく咲く一目千本桜ですが、植樹から100年を超えて様々な課題を抱えています。未来へつなげようと奮闘する樹木医がいます。
白石川沿いに咲き誇る約1200本の桜の多くが、ソメイヨシノです。ソメイヨシノの寿命は60年から70年と言われますが、一目千本桜の多くが100年を超える高齢です。最近では、病気や高齢化などで伐採される木も少なくありません。
樹木医尾形政幸さん「この音はもう完全に死んじゃっていますね。死んでいるってことは水を吸い上げていないってことですから」
鋼棒を差し込んで亀裂の深さや土の状態を調べたり、聴診器代わりのハンマーを使ったりして木の状態を観察します。
樹木医尾形政幸さん「これも100年以上経った木なんですけど、これはちょっとかなりピンチですね。真ん中から割れちゃってるんですよ。どんどんどんどん腐っちゃって、倒木の恐れが出てきたということです」
ソメイヨシノは病気に弱く幹や枝に大きな傷がつくとそこから腐り始め、水分を取り込めなくなると空洞になります。
この木は枝を支えるためにワイヤーなどで固定していますが、いつ倒木してもおかしくないため数年後までに伐採される可能性が高いといいます。
樹木医尾形政幸さん「車にぶつからないように枝を調整しなければならない。枝がぶつかりそうなところは切らないといけない」
大きな傷がついたこちらの木。貨物車が木に衝突したとみられ、ぶつかった部分から木が弱る可能性があることから傷ついた枝は伐採されました。
樹木医尾形政幸さん「キノコが生えているということは、中が相当傷んでいる。キノコは木の組織を食べてどんどんどんどん繁殖していくので、ここにキノコがあるということは相当大きなエリアで腐ってきているということ」
現在開催されているしばた桜まつり会場から1キロほど下流では、根の部分にキノコ菌が繁殖し不治の病にかかった木が何本もあります。病気の木を伐採し、新たな木を植えれば解決するかと思いきや。
樹木医尾形政幸さん「堤防には河川法という法律で色々と縛りがある。ここに桜などを植えてはいけないとなってしまったんですね。植えた時は良かったんだけど、今は全く補植ができない状況になっている」
現在の河川法では、堤防の弱体化を防ぐため新たに木を植えることはできません。土を掘り起こすこともできないため治療には限界があり、今ある木を可能な限り残す必要があります。
樹木医尾形政幸さん「仕方なく切ってしまうわけだから。できれば長くいつまでも持ってほしいなと思いますよ」
こうした中、希望が親木の根元から生えている小さな枝です。根を張れるようにビニールで覆ったり、肥料をまいたりして枝の成長を見守っています。桜の町を次世代につなげるため、尾形さんはこれからも桜の声を聴き続けます。
樹木医尾形政幸さん「みんなで何かしらできることがあると思うので、それらをやっていくことで、共存していけるのかなと思います」