仙台市宮城野区で建設が進む宮城県立劇場は2029年3月完成予定で、完成後は現在の宮城県民会館(東京エレクトロンホール宮城)の機能が移転されます。移転後の県民会館がどうなるかはまだ決まっていません。
宮城県民会館は文化芸術活動の拠点施設として、1964年に誕生しました。現在は東京エレクトロンホール宮城の名称で親しまれています。施設のメインは1590席の大ホールで、各種講演会をはじめ劇団四季「オペラ座の怪人」など、著名な演劇やコンサートが開催されてきました。
仙台オペラ協会で芸術監督を務める佐藤淳一さんが、県民会館のステージで歌を披露してくれました。自身もテノール歌手として活動していて、県民会館のステージには約30回立っています。
県民会館の音響はホールの形が音の拡散に都合が良く、どの客席でも音が均一に聞こえるように設計されています。ステージには直径約11メートルの廻り舞台のほか、ステージ中央に2つ花道に1つ計3つのせり上げ舞台があります。
仙台オペラ協会芸術監督佐藤淳一さん「ここに丸いお盆(廻り舞台)があって、今は使わないみたいですけどオペラで廻し使ったことがありました。風景が変わっていく中、自分が舞台に立っているという他では経験できないことだったので、得した気分になったことありましたけど」
老朽化により廻り舞台は使用できなくなりましたが、3つのせり上げ舞台は今も現役で使用されています。
県民会館の老朽化などに伴い、仙台市宮城野区の仙台医療センター跡地では宮城県立劇場の建設が進んでいます。メインとなるグランドホールの客席数は、県民会館よりも600席ほど多い2147席です。東北では初めて、舞台の左右と後方に広めのスペースを設けた四面舞台となります。
完成は2029年3月で県民会館の機能が県立劇場に移転されますが、県民会館がどうなるかはまだ決まっていません。県民会館に強い思い入れがある佐藤さんは、一番の魅力は立地と話します。
仙台オペラ協会芸術監督佐藤淳一さん「宮城県民会館は、立地がとても良いですよね。お年を召した方でも来やすいという話もありますし、終わってから良かったねって近くでお食事をされたりとか、それでお帰りになる。そういう雰囲気が芸術を心から楽しむっていうことにつながっていくんじゃないかなと」
佐藤さんにとって思い出あふれる県民会館ですが、新たに建設される県立劇場へ願うことは。
仙台オペラ協会芸術監督佐藤淳一さん「寂しいですね。本来だったら会館がここにあってくださるととてもうれしいですけどね。長い期間、色々な芸術がお客さんのために公演された、それだけの歴史があるわけだし、新劇場でも新たな歴史を作っていってくれることを切に願っています」
県民会館の行く末が気掛かりなのは、舞台関係者だけではありません。定禅寺通近くで仏具店を営む、定禅寺通街づくり協議会で会長を務める佐藤晶洋さんです。協議会は、定禅寺通の魅力を向上させるために仙台市などの行政機関に働き掛ける市民団体です。これまでの活動で、歩道の拡張などが実現しました。
定禅寺通街づくり協議会佐藤晶洋会長「仙台市の方は再整備しているわけですから、県民会館だけが残っちゃいますよね。この跡地をどうするのかというのは早く決めて欲しい。それも、地元と相談しながらやっていただきたい」
県民会館のその後について、県と定禅寺通街づくり協議会で具体的な話し合いが持たれるのはまだ先という状況です。
定禅寺通街づくり協議会佐藤晶洋会長「県民や市民の方たちが常にここに来て、色々な使い方ができるということで憩いの場もあってもいいだろうし音楽ホールまでは要らなくても、小規模なホール、混合したそうした施設が必要ではないかなと思います」