1週間に5度も同じ住宅に侵入するクマが現れました。人を恐れるはずのクマが、なぜ家に入ってくるのでしょうか。専門家に聞きました。

■人を恐れず?食料狙うクマ

 9日に岩手県雫石町の住宅前で撮影された映像。ライトで照らされた先にいるのは玄関の扉に手を掛けているクマです。

電話 「来てるぞ、でかい」

 住人は家の中にいる家族に電話で注意を促します。

 大声を上げると、クマはこちらに顔を向けた後、姿を消しました。

自宅にクマが侵入 松原勇太さん 「外からクマの荒い息遣いが聞こえて、ドアを開けようとしていたので、慌てて咄嗟(とっさ)に大声を出したら、1回振り向いて見ていた」

 この映像が撮影される直前にもクマが住宅へ侵入。2度目の侵入を試みたクマの姿をカメラが捉えました。

自宅にクマが侵入 松原勇太さん 「人が嗅いでも良い匂いする。その粉にブドウ糖が入っているから。15キロほど、結構な量食べていった」

 牛用のミルクなどが食べられる被害が出ていたなかで、ついに家の中へ入られる事態となりました。

自宅にクマが侵入 松原勇太さん 「本当に怖い。役場にも今回の動画を見てもらって、人間の家の中に引き戸とか開けて入るのを覚えてしまった個体」

■なぜ?同じ家に週5回侵入

 松原さんの住む雫石町では住宅にクマが侵入するケースが相次いでいます。

 約1キロ離れた場所にある山本さんの家では…。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「気付いたのは家の中。クマはこんな感じで開けて入ってきた」

 5日早朝に自宅にクマが侵入してきました。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「こんな感じで開いていた」

 午前4時ごろに現れたクマは玄関先に置いてあったキャットフードや漬物などを食べていました。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「食べていたところを親父と出くわして、クマの方から逃げていった」

 しかし、朝の出没を受けて戸締まりも万全にしていたその晩。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「(内側の戸を)開ける音がした。夕飯を食べていたら。あれ?誰かな?こんばんはも何もなかったので、廊下に出たら、クマがキャットフードを食べようと、床に上がろうとしてた」

 同じ日の午後6時半ごろ、夕食を食べていた山本さんが物音に気が付き、廊下を確認すると、再びキャットフードを食べるクマがいました。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「びっくりして、家の中からクマだと瞬時にワーッと手を上げて威嚇した」

 後ずさりをする様子のクマを外へ追い出すと…。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「クマを追い出して、すぐに(戸を)閉めた。すぐクマが立ち上がって、(クマは)反対側から開けようと、私は閉めようと。この繰り返しが2分間続く」

 ガラス1枚越し、わずか数十センチの距離でクマと格闘をすると…。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「向こうに逃げたので、さっきまで両手がふさがっていたから、今度また来ると思い、ガスバーナー強力だから、これを持って火を付けて、ワーッとやりながらクマを追っていった」

 しかし、3度異変が…。

週に5回、自宅にクマが侵入 山本光雄さん 「私の父が寝ている寝室からクマが顔を出してきた」

 父親が寝ている部屋を確認すると、枕元にクマにかまれた跡のあるタオルが残されていました。この時、室内にあった“かりんとう”やクッキーも食べられていたといいます。

 この1週間で山本さんの家に5回もクマが侵入する事態となっています。

■専門家「家を餌(えさ)場と認識」

 なぜ人間が生活する家に毎日のようにクマが現れるのでしょうか。専門家に話を聞きました。

岩手大学 山内貴義准教授 「(Q.同じ家に何度も侵入することはある?)あると思う。クマは非常に学習能力が高い動物なので、ペットや家畜の餌、栄養価の高いおいしいものが食べられると学習すると、何度もやってくる」

 本来、クマは人間を恐れるとされていますが…。

岩手大学 山内貴義准教授 「「Q.恐怖心を上回る食欲?)一度、味を覚えてしまうと、多少リスクを冒してでも得ようとする個体もいるので、人身被害の危険性が非常に高まるので、いかに安全に捕獲するか」

 少しでもリスクを下げるには家にある鍵をすべて施錠。食べ物は人間の食料以外も玄関先に置かないことが重要だといいます。