記録的な豪雨から4日経つ千葉県内には、動けなくなった車両が少なくとも2700台に上っています。もしもの時、脱出する方法を探ります。

■放置車両2700台 撤去に密着

 被害の大きさを表す新たな数字です。千葉の豪雨で、道路上に放置された車両は少なくともおよそ2700台に上ることが分かりました。

 まさかという場所でも車の水没は発生しました。

 普段から交通量の多い交差点でも…。横断歩道にかかるように止まったトラックには、黄色い三角印が貼られていました。

 これは市が放置車両であることを示すためなどに貼ったものだということです。

 住宅街でも放置車両が続出していました。

レッカー業者 ロードワークス 森勝実さん 「一帯はこの辺まで水がきてしまったようなので、ほとんどここにいた車は冠水してしまったのかなと」

 車のレッカーを請け負う森さんの元には、豪雨の後、依頼が殺到しています。

森勝実さん 「すでに受けている分で60件少々。毎日追加で40~50件入ってくるので、消化している分よりも依頼の方が多い状態」

 17日に依頼を受けて訪れたのは、千葉市内の駐車場です。

森勝実さん 「椅子なども濡れてこの辺りまで水がきた」

 依頼者の土屋さんは駐車場に止めていた車が水没しました。

レッカーを依頼 土屋健治さん 「後ろも中まで(水が)全部水につかった」 「(Q.これは何でしょう?)図面です」 「(Q.お仕事の?)びしょびしょ。仕事で使う図面」

 まだ買って1年しか経っていない車なんだそうです。

 土屋さんが所有する買ってから3年の車も同様に水につかりました。

土屋健治さん 「(水は)ワンボックスでここまで。普通の車なら(つかる)」 「ショックで言葉にならない」

 車はこのあと、修理工場に運ばれます。

森勝実さん 「冠水の救助に行くといつも以上に感謝される。『こんなに早く来てくれるんだ』。一件でも多く行けるように頑張る」

 千葉市は「交通に支障のある車両から撤去している」としています。

■もしも…車の水没 どう対処?

JAF 広島支部 西原大介さん 「水位に関しては一般的には車の床の部分がつかると危険だと言われている」

 水没した車に閉じ込められた際、脱出のためにはハンマーで窓の特定の箇所をたたくことが重要だというんです。

 千葉豪雨では短時間で急激に道路の水位が上昇し、車の内部に閉じ込められる被害が相次ぎました。

 万が一の場合には、どう行動すればよいのか。車のトラブルに詳しいJAFを取材しました。

西原大介さん 「深さにもよるが、およそ60センチまで水位が上がってくると、通常の車のドアを開ける約5倍の力がかかる」

 JAFの実験では、水深が30センチだった場合、ドアは開きます。ただ、60センチになると…。全身で押そうがなかなか開きません。

 番組スタッフが、JAFの施設で水没した車のドアにかかる圧を体感しました。

 60センチの水没の状態のドアを開けようとすると、結構重くかなりギリギリの力、座っている分力もかけにくく、脱出するとなるとシートが滑って戻される感じがあるそうです。男性の力でも脱出はかなり難しいといいます。

■車の窓“割れやすい場所”も

 水位が上がり、ドアが開かない場合には窓を開けてすみやかに脱出します。

 ただ、ドアも窓も開かない事態に直面したら…。

 窓を破って脱出を試みますが、傘では到底、割れません。ヘッドレストでも割ることができませんでした。

 この実験で窓ガラスが割れたのは、車の窓ガラスを割るための「脱出用ハンマー」だけでした。

西原大介さん 「こういうハンマーは先がとがっているので、尖っている部分をガラスに向けてたたくと、割れるという仕組みになっている」 「一般的にはガラスの四隅を打ち付けると割れやすいというふうに言われているので、万が一こういったハンマーを使われる場合は四隅を狙ってたたいてもらえれば」

 また、何らかの原因で窓を破れなくても諦めてはならないとされています。

 実は車が完全に水没すれば、ドアが開く可能性もあります。国土交通省によると、浸水で車の中と外の水位が同じになると、ドアを開けられる可能性が高まるのだそうです。

西原大介さん 「冠水路に入らないのが原則。アンダーパスの場所を知っておく、迂回(うかい)路を調べておく、天気予報をスマホで調べられるので活用するのも大切」