見た目はとても可愛らしいアライグマ、実は生態系を荒らす危険な動物です。野鳥の楽園とも呼ばれる宮城県大崎市の蕪栗沼で初めてアライグマの群れが確認され、影響が心配されています。

 国際的に重要な湿地として、ラムサール条約にも登録されている大崎市の蕪栗沼は、マガンなど野鳥だけでなくマハゼやボラといった30種を超える魚も生息し、豊かな生態系が育まれています。

 この場所で先月12日の午前3時半ごろにカメラが捉えたのは、夜の沼を歩いていく5匹のアライグマ。 一見ほほえましい光景ですが、実は特定外来生物です。

 蕪栗沼でアライグマの群れが確認されるのは初めてです。

 NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ戸島潤副理事長「カメラに映っていたアライグマはこの場所を道沿いに歩いて行ったと考えられます」

 おととし3月、蕪栗沼で初めてアライグマが確認されたときは1匹でしたが、今回は5匹で行動していました。

 NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ戸島潤副理事長「ちょうど子育てが終わって出てきたってところでしょうね。5匹は親子・家族である可能性が高いと思います」

 野生動物の生態に詳しい石巻専修大学の辻大和教授は、アライグマが急激に増えている可能性を指摘します。

 石巻専修大学辻大和教授「アライグマは1回の繁殖力が強く数頭の子どもを産みますから、今回見つかったのが1家族ということは、おそらくそれ以外にも繁殖している個体はいるはずです。2年経って数がどんどん増えているのかなという気はします」

 アライグマは何でも食べる雑食性で、多くの渡り鳥が飛来する蕪栗沼では、生態系への影響が懸念されています。

 石巻専修大学辻大和教授「水生生物、例えばザリガニとか魚とかも食べますし、農作物も食べます。あとは小型の動物、カエルとかサンショウウオも食べます。あとは小型の哺乳類みたいなものも食べたりしますし、鳥も食べます。周辺の農地に行って田んぼとか畑の作物を荒らしてしまう被害があります」  農林水産省によると、アライグマによる農作物の被害額は10年前、3億4400万円だったものが、去年は6億9300万円と、10年でおよそ2倍に増えています。

 また、人やペットと接触すれば感染症を引き起こす可能性もあります。

 石巻専修大学辻大和教授「人間に向かって攻撃してくることもありますので、例えば爪で引っかいたり噛みついたりすると、そこに含まれてる病原菌に感染するという恐れもあります」

 1970年代にペットとして飼われていたものが野生化したと見られるアライグマ。被害が広がる前に数を減らし、ほかの地域への拡大を防ぐことが重要です。

 NPO法人蕪栗ぬまっこくらぶ戸島潤副理事長「地元の自治体や、猟友会の人たちなど、専門家の人達と協力をして共同で捕獲作戦を行っていく事が大事かなと思います」