家賃高騰が深刻化するスペインで自宅から立ち退きを命じられ、大規模な抗議デモのきっかけとなった87歳の女性が亡くなりました。

 亡くなったのは首都マドリードに住むマリア・デル・カルメンアバスカルさんです。

 現地メディアによりますと、アバスカルさんは70年以上暮らしたアパートを投資ファンドに買い取られ、契約更新の時に「家賃を数倍に値上げする」という条件がのめず、先月、強制的に立ち退きを命じられました。

 マドリードでは過去10年で家賃が8割ほど高騰していて、この件をきっかけに不満を抱えた市民が広場にテントを張って座り込むなど全国で大規模な抗議デモが広がっていました。

 アバスカルさんは立ち退き後、体調を崩して入院し、オーナー側が帰宅を認める合意に達したものの、今月7日に息を引き取りました。

 マドリードの議会前では市民が「これは殺人だ」などと抗議の声を上げています。

 11月11日にはスペインの労働組合が全国規模のゼネストを実施する予定です。

 住宅問題を巡っては政治的対立も深まっていて、11月29日に前倒しされる総選挙でも最大の争点となる見通しです。