ヨーロッパ各地でロシアによる破壊工作への懸念が高まるなか、NATO(北大西洋条約機構)の最高司令官が「ロシアに明確なレッドラインを示すべきだ」と危機感を表明しました。

 ポーランドの首都ワルシャワで開かれた安全保障フォーラムで12日、NATOのグリンケウィッチ、ヨーロッパ連合軍最高司令官が演説しました。

 グリンケウィッチ最高司令官はヨーロッパで相次ぐドローンなどを使ったいわゆる「ハイブリッド攻撃」に言及し、ロシアに対して同盟国が結束し、「越えてはならないレッドライン」を明確に示すことが重要だと訴えました。

 また、「もし我々を攻撃する愚かな者がいれば、完全に打ち砕く」と述べ、NATOの圧倒的な抑止力を強調しました。

 この強い警告の背景にはヨーロッパでロシアの脅威が増す一方、アメリカが同盟国を防衛する姿勢に不透明感や警戒感が強まっていることがあげられます。

 グリンケウッチ最高司令官はアメリカのNATOへの関与について「懸念を払拭したい」と述べ、抑止への揺るぎない自信を強調しました。

 一方、同じフォーラムに登壇したポーランドのトゥスク首相は「ウクライナは生存のために戦い、ロシアは支配権のために戦っている」と指摘し、「今こそヨーロッパとアメリカが一致し、より強力な手段でロシアを抑え込む時だ」と述べました。