感染拡大が続く中、宮城県内ではいつ収束の兆しがみえてくるのでしょうか。

 感染症の専門家で東北医科薬科大学病院の関雅文教授は、3回目の接種率が県全体で5割を超えることをポイントにあげています。

 東北医科薬科大学病院関雅文教授「ほとんど若い方は無症状のまま行動できる状況ですので、そこから家庭内や施設内に持ち込まれて、やはり年配の方にいってしまったという状況。どうもこれが今回のオミクロン株の特性で、とにかく感染性が強くてまだまだ感染する余地を残している」

 県内では2月に入り既に6000人を超える感染者が確認されていて、ひと月当たり過去最多だった1月の5313人を上回っています。

 関教授は、この状況が一気に減少する可能性は低いと指摘します。

 関雅文教授「一つはオミクロンという極めて強力なウイルスに対して、感染性が強いウイルスに対してワクチン接種が進んでいない。そしてもう一つはウイルス学的にみるともしかしたら、BA1というのが今主流ですけど少しずつですがBA2というものに同じオミクロンの中で置き換わりが進みつつある」

 現在、日本で猛威を振るっているオミクロン株はBA1と呼ばれるものです。

 関教授が指摘しているBA2とは、オミクロン株の中でもさらに変異を重ねたウイルスで感染力はBA1の1.5倍です。

 国内でも、検疫だけでなく東京都内でも報告され始めました。

 関雅文教授「第6波と言われる今の波の中で、もう一つの波が知らないうちに起こっている可能性がありますので、ピークアウトという言葉がありますけどそのピークにもまだ達していない。宮城の場合はまだまだ悪い意味で右肩上がりですので、本当にまだまだ予断を許さないと思った方が良いと思います」 そんな中、関教授が収束のカギとしてあげるのがBA2にも効果があるとされる3回目接種の加速です。

 県内で3回目接種を済ませた人は、8日時点で約17万人と、県内の全人口に対し7.6%となっています。

 関雅文教授「欧米の状況を見ていて3回接種が終わり始めると、進むとやはり下がるというのがエビデンスとして出ているので。80%まで行かなくても50から60%ですよね。県内の人口では半分は超えてほしいなと思いますね」