復興道路として整備された三陸沿岸道路の全線開通によって、周辺を通る一般道の渋滞が緩和されたことが分かりました。

 これは、東北地方整備局や自治体、トラックやバスの事業者団体でつくる渋滞対策協議会で報告されました。

 三陸沿岸道路は2021年3月、宮城県内の全線が開通しましたが、整備の目的のひとつが一般道の渋滞の緩和です。

 仙台河川国道事務所が仙台から気仙沼までの主な渋滞地点35カ所を調べたところ、沿岸道路の整備によって東松島や気仙沼など5カ所で渋滞が解消し、他の地点もおおむね緩和傾向にあることが分かりました。

 最も効果が出ているのは気仙沼の国道45号で、2015年と全線が開通した2021年を比べると平均速度は時速27.2キロから41.4キロに上がり、交通量も減って6割ほどになりました。

 経済効果としては、企業誘致の加速が挙げられています。

 宮城県内では、石巻市や気仙沼市など三陸沿岸道路の沿線に、水産加工業を中心に工場の新設が158件、増設が18件あったということです。