地域医療の人材確保を目的に、国内で37年ぶりに医学部が新設された東北医科薬科大学で卒業式が行われました。

 卒業する医学部の第1期生93人のうち、30人が宮城県内に残ります。

 東北医科薬科大学の医学部と薬学部、そして大学院の卒業生は計379人です。このうち医学部第1期の卒業生は93人です。

 医学部の卒業生93人のうち、57人が東北の病院で研修医となり、このうち30人が県内に残ります。

 卒業生総代・鈴木紅音さん「私たちは自身の持つ知識やとっさの判断によって、患者さんの人生が決まってしまう。医療者として第一歩を踏み出さなければなりません。患者さんにとって、何が一番大切なのかを考え対話を繰り返し、寄り添いながら医師として日々精進して参ります」

 東北医科薬科大学は2016年4月、東北薬科大学に医学部が新設され誕生しました。 震災復興と東北地方の医師不足解消が目的で、国内で医学部が新設されるのは37年ぶりでした。

 地域医療を支える医師の育成を目的として、大学と東北各県は学費を貸し出す修学資金制度を創設しました。

 宮城県の場合、6年間の学費3400万円に対し3000万円を貸与。

 医師になってから2年間の初期研修医を経て、県内の指定される医療機関に10年間勤務すれば返還が免除される仕組みです。

 この制度を利用した卒業生は。

 卒業生・海賀俊征さん「6年生の時に地域実習に行って、やはり医師の数が不足しているということを目の当たりにしました。自分自身がここまで育ててもらった。本学に対して恩返しをするという意味でもしっかり活躍していかなければいけない」

 卒業生93人のうち東北各県や大学が設ける様々な修学資金制度を利用したのは48人で、このうち41人が宮城を含め東北の医療機関で研修を受けるということです。