旧優生保護法のもと行われた不妊手術をめぐる問題についてです。宮城県議会は被害者への賠償を含め、問題の全面解決を国に求める意見書を可決しました。

 厚生労働省や県によりますと、旧優生保護法による障害を理由にした不妊手術などの被害者は、本人の同意を得ない強制不妊手術だけでも全国で約1万6500人、県内で約1400人に上ります。

 一方、国が支払う一時金の額はわずか320万円で、支給が認定された被害者は全国で約1000人、県内で110人ほどにとどまっています。

 一時金の制度を知らない被害者が少なくないと見られますが、国は手術の記録が残る人への通知に消極的で、被害に見合った賠償を求めている各地の訴訟でも争う構えです。

 こうした状況を踏まえ、県議会は問題の全面解決を国に求める意見書を定例会最終日の19日、全会一致で可決しました。

 意見書では、国に対し被害者ら全員に被害に見合った賠償を行うことや、差別の解消に向けた施策を求めています。

 意見書の可決について、全国被害弁護団の新里宏二共同代表は全国の都道府県議会への広がりに期待を寄せました。

 全国被害弁護団共同代表新里宏二弁護士「早期の全面解決という意見書を採択したのは、全国で初めてということが大事なこと。全国的にも広げていただいて国会を後押していただきたい」

 県議会は2018年、被害者の救済と補償を国に求める意見書を可決していました。

 今回は被害者の高齢化も踏まえ「問題の全面解決」というより踏み込んだ意見書を可決し世論の盛り上げを図ります。