東北大学発のベンチャー企業が開発した、姿勢の歪みなどを計測するデジタル機器の活用に向け、仙台市の職員を対象とした実証実験が始まりました。この機器は、姿勢の悪さと肩こりの関連を解明するのに役立つと期待されています。

 パソコン画面を見ている時の姿勢を、眼鏡に取り付けるだけで簡単に測定できる機器、背骨計です。

 東北大学発のベンチャー企業、weCANが東北大学医学部との共同研究で開発しました。

 赤外線や傾きを感知するジャイロによって、頭の前後の角度や背骨の曲がり具合などを測定します。

 weCAN高橋佑生社長「これまで背骨の形を測るというとレントゲンのように一瞬しか測れない、瞬間的の形しか測れないものがあります。日常的な背骨の形をずっとモニターするという医学的なシステムが無かった」 実証実験は、ヘルスケア分野のビジネス創出を支援している仙台市産業振興課の職員10人ほどが参加して、6日から5日間実施します。

 タイピングゲームをしている間の姿勢を測定し、改善点をアドバイスするという流れを1日3回行い、姿勢矯正や意識改善の効果を調べます。

 職員「肩こりもあるのでたまに意識をするようにはしているんですけれども、何もこういうものが無いとどんどん悪くなってくるので、こういうツールがあると助けになるのかなと思います」

 開発に携わった医師は、姿勢の悪さと肩こりなどの症状との関係性の解明につながると期待を寄せます。

 東北大学整形外科橋本功講師「肩こりとか背中の痛み、腰の痛み。それが本当に(姿勢の悪さが)関わっているのかというのは、実は医学的な検証は十分ではないのですが、日常生活の姿勢を客観的確認することができれば、そういった部分の介入(検証)もできるのかなと考えております」

 開発した企業は今後、更に実証実験を重ね年内に法人向けの販売開始を目指すということです。