宮城県名取市にある名取熊野三社は、900年前に和歌山県の熊野神社から分祀されたと伝えられています。きっかけになったとされる女性の物語を、地元の市民グループが影絵で紹介しました。

 名取熊野三社は長い歴史を持ち、多くの人からの信仰を集めています。

 春の例祭が開かれた23日、神社にまつわる女性の物語を地元の市民団体、虹色マカロンが影絵で紹介しました。

 「むかーし。むかし。名取の里に信心深く気立ての良い娘が住んでいました」

 物語では毎年、和歌山県の熊野神社にお参りしていた名取の巫女が年老いて参拝できなくなりますが、京の都で熱病が流行った時に宮中に招かれ、病を治したことで望みを聞かれます。

 「もしできることなら、名取の里に熊野様を分霊していただければこんなにありがたいことはございません」

 望みはかなえられ、名取の地に熊野神社が分祀されることになったということです。

 訪れた人たちは、影絵が醸し出す物語の世界観に引き込まれていました。

 「名取老女の話は分かっていたんですけど、具体的にこういう話になっているのを見たことが無かったので、とても興味があったので見に来ました。とても楽しかったです」

 虹色マカロンでは、子どもたちに伝えていきたい物語なので、呼ばれればどこにでも行って公演したい」と話していました。