強制不妊手術をめぐり、国が敗訴した裁判の控訴審が始まりました。裁判長は「国側は明確な控訴理由を示せていない」などと踏み込んだ発言をしました。

 宮城県に住む70代男性と80代男性は、旧優生保護法の下で障害を理由として10代の時に不妊手術を強制されたとして、国に計6600万円の損害賠償を求めています。

 一審の仙台地裁は、不法行為から20年で賠償請求権が消える民法の除斥期間が適用されるとの国の主張を退けて、計3300万円の賠償を命じ国が控訴していました。

 8日の控訴審でも国側は、改めて除斥期間の適用を主張しました。

 一方、原告側は原告の男性が「長年訴えられなかった事情を考慮してほしい」と主張しました。

 双方の主張を聞いた上で小林久起裁判長は「国側は明確な控訴理由を示せていない」「除斥期間や時効により国が責任を免れていいのか」などと踏み込んだ発言をしました。

 裁判は9月22日で結審する予定です。