生食用のカキの品質検査が宮城県石巻市で行われ、今シーズンの出荷開始日は10月30日に決まりました。東日本大震災があった2011年と並んで、最も遅い解禁日です。

 検査は県漁協石巻総合支所で行われ、職員らが宮城県35の処理場から集められたカキの粒の大きさや卵の入り具合を確認しました。

 近年は海水温の上昇による生育の遅れや、食用に適さない卵を持っているものが多く、県が指針で定める9月29日の出荷解禁日を遅らせる状況が続いていました。

 県漁協によりますと、猛暑の影響で海水温が30度を超え多くのカキが死滅したことに加え卵が残っているカキも多く、今シーズンの出荷の開始は10月30日に決まりました。

 解禁日は、震災の津波で養殖施設や漁船が被害を受け延期した2011年に並んで最も遅くなります。

 県漁協阿部輝喜かき部会長「高水温なので、まだ身入れの方が若干遅れている感じなんですね。1カ月後、全国に向けて宮城のカキおいしいって言われるようなカキを作って提供しますので」

 県産のカキは、震災前には約4300トンの出荷量がありましたが、前年は半分以下の1500トンにとどまっています。

 県漁協では、1600トンの出荷を見込んでいます。