能登半島地震の被災地では、避難生活が長期化する中子どもたちの心のケアが課題となっています。東日本大震災の直後から宮城県石巻市で支援活動を続ける専門家に注意点を聞きました。

 石巻市で子どもの心のケアを続ける志村知穂さんは、2015年に活動拠点こころスマイルハウスを開設し、今も被災した子どもと向き合っています。

 こころスマイルプロジェクト志村知穂代表「地震や津波で心に強い衝撃を受けた子どもたちは、本人の自覚が無いまま、自分でも気付かないうちに心に傷を負っています。5年後、10年後に不登校になったり、リストカットをしたりというケースもあります」

 震災後、宮城県では子どもの心のケアの方法を学ぶ講習会が多くの場所で開かれました。そこで伝えられていたのは、遊びを通して子どもの心をケアするプレイセラピーです。

 こころスマイルプロジェクト志村知穂代表「幼い子どもたちは、自分の気持ちの中のざわざわした感情やどうしてイライラするのかを言葉でうまく説明することができません。気持ちを外に表出する、表現することができる遊びが特にこういう災害の時には重要になります」

 プレイセラピーは、使用するおもちゃごとに意味があります。

 こころスマイルプロジェクト志村知穂代表「積み木で子どもたちが何か想像しながら形を作る中で自分の心の中を整理したり、柔らかいボールですね、ストレス発散になりますし。強く投げたものもキャッチしてくれるというセラピー効果もあります」

 文部科学省の調査によると、東日本大震災ではPTSDが疑われる症状が1つでも見られる子どもは、宮城県で19.0%に上りました。

 こころスマイルプロジェクト志村知穂代表「特に親を亡くした子どもは、成長する過程で高校進学、大学進学、環境が変わるごとに新たな不安や問題が生じてくるんですね。心のケアは一過性の支援では解決できないので、長期的なケアが必要だと思います」

 志村さんは「大きな災害が発生した際にはどうしても生活の再建が優先され、子どもの心のケアが後回しになってしまうため、息の長い支援が必要になる」と話していました。