触ると臭いが付く嫌われ者、カメムシです。宮城県ではあまり見かけなかった緑色のカメムシが、大量発生しています。その正体と大量発生の理由を、病害虫の専門家に聞きました。

 仙台市青葉区の勾当台公園では13日、照明の周りをカメムシが飛び回っていました。触ると臭いカメムシが大量発生しています。

 中津川夏帆記者「仙台市のホームセンターでは、来店客からの問い合わせが多いことからレジ横の分かりやすい位置にカメムシ用の殺虫剤を並べています」

 前年に比べ、この1カ月で30倍以上の本数が売れています。

 ダイシン幸町店三野宮有里副店長「カメムシを見慣れないお客様も多いので、どうやって駆除したら良いかという問い合わせや、駆除のスプレーがあるのかという電話での問い合わせもあります」

 全身が緑色の見慣れないカメムシは国の研究機関、農研機構によりますとツヤアオカメムシで主に九州や四国に多いとされています。

 農研機構新井朋徳グループ長「東北地方の南部でツヤアオカメムシが多発したのは今回初めてで、私も少々驚いている。スギやヒノキの果実量はそれほど多くなかったので、発生した虫が餌を求めて飛び回っているうちにあちらこちらに分散して、その一部がもしかしたら東北地方南部まで行ったのかもしれません」

 国内では、カメムシの大量発生による果樹被害も報告されています。今後も大量に発生する可能性はあるのでしょうか。

 農研機構新井朋徳グループ長「冬が寒くなると虫が結構死ぬので、冬の寒さ次第で翌年どれくらい発生するかにもよると思いますが、暖冬の場合だとカメムシがまた出てくる可能性があります。飛来に注意する必要があるかもしれません」

 宮城県病害虫防除所によりますと、西日本で大量発生したツヤアオカメムシが台風などの風に乗って飛んできた可能性もあるということです。

 カメムシは危険を感じると強い臭いを放出するため、刺激しないように対処してほしいとしています。