火災の現場で現金を盗んだ疑いで逮捕されたのは、現役の警視庁捜査1課の警部でした。盗んだ金額は、合わせて900万円に上るとみられています。

■「ミスター火災犯」と呼ばれていた容疑者

 14日に窃盗の疑いで逮捕されたのは、政野亮二容疑者(51)です。

 3年前、東京・渋谷区のアパートで住人の70代の男性が死亡した火災。現場には多くの消防隊員と共に、多数の警視庁の捜査員も駆け付けていました。

 政野容疑者はこの火災現場から現金およそ300万円などを盗んだ疑いが持たれています。

 さらに今年1月、江東区の火災現場から現金1000円を盗んだ疑いもあります。

 政野容疑者は警視庁捜査1課の警部で、火災犯捜査の係長を務めていました。ある捜査関係者によると、「ミスター火災犯」と呼ばれていました。

 警視庁によると、政野容疑者は火災後の現場で「掘り起こし」と呼ばれる火災の原因を調べる作業を行う際に焼け跡などから現金を見つけ、ズボンのポケットに入れていました。

元警視庁刑事 吉川祐二氏 「火災が発生した時に消火活動を行うのは消防庁の仕事。その後、出火原因などを調べるために現場に入って、いろんな品物を確認していく。それが掘り起こしというもの」

 今年1月、匿名の人物から警視庁に通報があり、本人に事情を聴いたところ、認めたことから事件が発覚しました。

 盗んだ現金は自身の銀行口座に入金し、生活費などに充てていたとみられています。

政野容疑者 ※容疑を認める 「お金がいくらあっても、将来のことを考えると不安になる」

 また、政野容疑者が今回の事件を含めておよそ10件、合わせて900万円以上の現金を火災現場から盗んだという趣旨の話をしているということです。

 窃盗被害があったとみられる現場のほとんどが、一人暮らしの住人が死亡している火災だったといいます。

吉川氏  「死亡の火災であることから、発覚しづらい考えをもったのでは」

(「グッド!モーニング」2025年5月15日放送分より)