宮城県登米市の熊谷康信市長は、9日に開催された市議会で前の市長が進めていた複合施設建設計画を撤回し、2025年度の関連予算約2億4000万円を全額削除する修正案を提案しました。

 熊谷市長は、本庁舎や図書館などが入る複合施設の建設計画の白紙撤回を訴え、4月の市長選で現職の前の市長を破り初当選しました。

 熊谷市長は9日に開催された市議会で所信表明演説し、計画の白紙撤回を宣言しました。公共施設は、財政負担が少ない身の丈に合った整備が必要との考えを示しました。

 熊谷康信登米市長「仮称地域交流センターの整備構想については、白紙撤回いたします。約148億円の新しい庁舎が必要とは思えませんし、将来において大きな負担になると思っている」

 熊谷市長は、複合施設の設計費など2025年度の関連予算を全額削除する修正案を提案し、本庁舎については既存の別の庁舎を活用して長く使うための長寿命化の調査費を補正予算案に盛り込みました。

 熊谷康信登米市長「選挙結果は民意だと思っている。民意に即した形で提案している。議会がどのように判断するか、正直分からないが、しっかりと説明を尽くしていきたい」

 一方、議会では最大会派が計画を推進してきたため当初予算案が可決されており、不透明な情勢になっています。