鹿児島県のトカラ列島で地震が続くなか、政府は新たな防災基本計画案を取りまとめました。
断続的に地震が発生。3日は最大震度6弱を観測した鹿児島県の悪石島。89人の住民のうち4日朝早く、乳児から高齢者までの13人が島外へと避難。午後6時ごろ、鹿児島港に到着しました。
久保源一郎村長 「日曜日の上り便で島外避難の希望者ということで募集を掛けます」
悪石島を含む十島村の久保村長は、まだ島に残っている住民に向けて2回目の避難を呼び掛けています。
悪石島から南西に約40キロ離れた小宝島では2日、震度5弱を観測。島内の学校の校庭には、ひび割れが…。
小宝島学園 松野浩三校長 「地震が続いているので、ちょっとずつ開いている感じがしますね」
また、建物の床がひび割れる被害も。専門家はトカラ列島の群発地震が南海トラフ地震につながる恐れはないとしています。
その南海トラフ地震について今週、政府の中央防災会議は防災対策の基本計画を改訂しました。
石破総理大臣 「今後30年以内に80%と差し迫った発生確率を踏まえ、地震や津波などによる直接的被害を減らすための命を守る対策と命をつなぐ、おおむね10年間で完遂すべき重点政策を具体的に定め…」
今年3月、有識者検討会が被害想定を見直し、最悪のケースで死者約29万8000人、建物の全壊約235万棟という試算を公表。これを踏まえ、中央防災会議は今後10年の減災目標として、死者はおおむね8割減少」、全壊焼失棟数は「おおむね5割減少」を目指すと盛り込みました。
しかしSNSでは、実現できるのか懸念する声が…。
X(旧ツイッター)への投稿 「阪神淡路大震災から何も変わっていないのに10年で何ができる」 「死者8割減という数値の根拠はどこに?」 「10年で耐震化不十分の建物をなくすのは無理」
来るべき大地震に備え、政府や私たちができる手立ては。