2025年上半期の中国の貿易統計が発表されました。関税を巡りアメリカと交渉が続くなか、中国全体の貿易額は増加しています。

 中国税関総署によりますと、2025年上半期の輸出入額は前の年と比べて2.9%増のおよそ21兆7900億元=446兆6950億円で、過去最高となりました。

 関税を巡る交渉が続くアメリカとの輸出入額は9.3%減の2兆800億元=42兆6400億円で、このうち輸出は9.9%減の1兆5500億元=31兆7750億円、輸入は7.7%減の5303億5000万元=10兆8722億円と、いずれも大きく落ち込みました。

 特に、アメリカの相互関税が発動された後の4月から6月の輸出入額は20.8%減少したということです。

 一方、中国は貿易相手国の多角化を進めていて、習近平国家主席が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」参加国との輸出入額は、中国の輸出入総額の51.8%を占める11兆2900億元=231兆4450億円(4.7%増)、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国は3兆6700億元=75兆2350億円(9.6%増)などと堅調に推移しています。

 また、2025年下半期の見通しについて、税関総署の担当者はアメリカの関税政策を念頭に「世界で一国主義、保護主義が台頭し、外部環境の複雑性や厳しさ、不確実性が増すなか、下半期も安定した貿易成長を維持するには多大な努力を払わなければならない」と懸念を示しました。