暑くなればなるほど売り上げが伸びる食べ物が「天ぷら」なんです。一体どういうことなんでしょうか。
■なぜ?天ぷら猛暑売れ
今週も太平洋高気圧が本州付近に居座り、猛烈な暑さが続く見込み。そんな夏の天候や気温は、お店の売り上げにも大きな変化をもたらします。
関東信越の1都6県で21店舗を展開する大型鮮魚専門店「角上魚類」では、生きのいい魚介類がズラっと並ぶなか、暑くなるとよく売れるのが…。意外にも、お惣菜コーナーで売られている「天ぷら」だといいます。
角上魚類 惣菜開発指導部 中島大樹課長代理 「(夏は)通常の月と比べると約20%、天ぷらの売り上げが伸びる」
肉厚で弾力感のあるブラックタイガーを使った「えび天」などの天ぷらが、グループ全体で去年、秋に比べて夏は1.3倍の売れ行きだったというのです。
なぜ、猛暑で天ぷらが売れるのでしょうか。
客(60代) 「えび天を3本」
そうめんやそばなど夏の麺類のお供と言えば、の天ぷらですが…。
客(60代) 「(天ぷら)なかなかできないので こういうのがあると重宝して買う」 客(50代) 「やっぱり暑いので。家で揚げるのは」
サクッと買える天ぷらは、まさに真夏の台所の救世主。「猛暑下の食事作り」に関する調査では、85%が「食事作りに負担を感じている」と回答。その中でも多くの人が、「暑い台所に立つこと」に負担を感じているそうです。
そんな声に応え、「角上魚類」では来月1日から「真夏の天ぷらフェア」を開催。
厚みが6.5センチを超える極厚「えびかき揚げ」が、3年ぶりに復活し…。さらに、新潟や豊洲などの各市場で仕入れた鮮度抜群の素材を優先的に投入し、季節の鮮魚の天ぷらを充実させていくといいます。
角上魚類 惣菜開発指導部 中島大樹課長代理 「鮮度の良い食材を使って商品化を第一に考えている」
■“進化系”春巻きに舌鼓!
暑いからこそ充実する「夏の揚げ物」。170℃の油の中で黄金色に染まるリレーバトンのような形の…そう、春巻きです。
東京・品川区、武蔵小山に店を構える春巻き専門店「はるまきバトン」でも。
客(90代) 「暑い」
27日、暑さに耐えながら続々と老若男女が集まっていました。
客(40代) 「きょうで3回目。埼玉から来て食べる価値がある」
県境をまたいで来たという男性も、夕食のおかずにと春巻きをテイクアウト。
客(40代) 「(Q.暑い日に揚げ物は家でするか?)あんまり油を使った料理は家ではしないので、買って帰る」
遠くからわざわざ足を運ぶ理由の一つが、その種類の多さにあります。
10品目を超える具材を手作業で丁寧に包み込んだ王道の春巻きから、断面からチーズがとろけるオリジナルの春巻きまで多種多様。
はるまきバトン 平野順弘店主 「レギュラーで置いているものと、あとは数量限定でどんどん新しいものを出していっているので、280~290種類は作ってきた」
客(30代) 「テイクアウトで」
夏に限らず、家では一切“揚げ物はしない派”だという女性。
家で揚げ物をしない派 30代の人 「前に来たことがあっておいしくて、色々な種類を食べたくて(テイクアウト)全種類にしました」
そんな大ファンの彼女が以前、店内で食べたお気に入りが「牛すき焼き春巻き」。別皿で卵の黄身が付いています。そう、すき焼きと春巻きのコラボです。
一方、こちらも一目瞭然、広島風のお好み焼き。暑い夏、春巻きで気軽にお鍋や鉄板料理の味が楽しめるのも魅力です。
さらに、暑い夏にぴったりの具材が。断面に何が入っているか分かりますか。この部分、ウナギです。
はるまきバトン 平野順弘店主 「土用の丑(うし)の日とかもあったので、夏に向けて皆が食べやすい食材も使っている」
進化を遂げる「夏の揚げ物」。サクッと食感で、厳しい夏の暑さに対抗してみてはいかがでしょうか。