連日続く猛暑と雨不足の影響で、米や野菜など農作物にも深刻な影響が出始めています。
宮城県栗原市瀬峰で、ひとめぼれを育てている佐々木杏時さん(20)の田んぼでは、猛暑に加えしばらく雨が降っていない影響で異変が生じています。乾燥しきってしまい地割れが起きています。
佐々木杏時さん「乾燥していますね。カチカチです。この時期、本来水は5センチ6センチ水が張っていてもおかしくない」
「茶色くなっている。中も茶色くなってきて稲の色が違いますよね。水分が足りなくなってきていて、最終的には枯れてしまいますね」
佐々木さんの田んぼは、近くのため池から水を引いています。平年とは様子が全然違うと言います。
佐々木杏時さん「本当は今草が生えている所の境目くらいまで、水があるんですけど。全然水が無くて。ポンプで水を上げるにしても、ポンプが届かない。雨降ってほしいですね」
影響は、野菜にも及んでいます。栗原市高清水で年間400トンものパプリカを栽培し、全国に販売している農園です。暑さと水不足でパプリカの実に異変が生じています。
リッチフィールド栗原椎野隆也さん「シリグサレです。暑くて水分不足とカルシウム不足で出ちゃう現象です」
実の一部が腐ってしまう現象や日焼けをしてしまう現象などで、30個に1個ほど廃棄しないといけません。
パプリカは、赤や黄色など鮮やかな色になってから出荷しますが、早く成長しすぎてしまい、小さなサイズで出荷しなければならないという問題もあります。
リッチフィールド栗原椎野隆也さん「色が早く着きすぎて、小さいまま出荷することになってしまう」
気温が上がりすぎるとパプリカの栽培自体が難しくなってしまうと言います。
リッチフィールド栗原椎野隆也さん「(昼は25℃から30℃位に抑えたい。外気温が37℃となるとどうしても耐えきれない。(室温を)暖かくすることはできるが、冷たくするのはなかなか難しい」
更に、影響は果物にも。東日本大震災の津波で被害を受けた地区で、漁師の人たちが育てるモモです。
雨が少なかったためかモモの生育に遅れが出て、前年より約2週間収穫の時期が遅れています。このまま雨が降らなければ、収量も1割から2割ほど減るのではないかと心配しています。
奥松島果樹生産組合尾形善久組合長「色は着かないしね、やっぱり雨が降らないと。だから、雨が1番じゃないすか。1カ月ぐらい降ってないんじゃないですか」