北海道斜里町の羅臼岳で、登山をしていた男性がヒグマに襲われ、行方不明となっている。現場周辺では、朝から警察などによる捜索活動が行われている。

■ヒグマに襲われ林の中に…

 事件があったのは世界自然遺産、北海道・知床の羅臼岳。一夜明け、男性の捜索が再開された。

登山中の男性からの通報 「友人がヒグマに襲われた」

 14日午前11時すぎにあった通報。警察によると、友人が20代男性の200メートルほど後ろを下山していたところ、名前を呼ぶ大声が聞こえたという。声のほうへ近づくと、太ももから出血した男性を発見。男性はクマに林の中へ引きずり込まれていったという。

登山歴10年の人 「率直に怖い。自分だったらと。登山道で襲われたとなると悩ましい。ヒグマは自然の良さでもあるし、一方で害を与える個体もいるので」

 この事故を受けて70人ほどの登山客が救助されたが、クマに襲われた男性は見つかっていない。

 北海道によると、知床が世界自然遺産に登録された2005年以降、登山客がヒグマに襲われたケースは今回が初めてだという。

 知床財団によると、周辺では先月以降、人を避けないクマが度々目撃されていて、3日前には羅臼岳の登山道で、撃退スプレーを噴射したにもかかわらず、数分間つきまとわれた事例もあったという。

 専門家は、この人につきまとうクマと、今回男性を襲ったクマが同じ個体の可能性があると指摘する。

北海道大学 獣医学研究院 下鶴倫人准教授 「今回のケース、おそらくだが過去に何回かにわたって人のつきまといをしていくうちに、だんだんと行動がエスカレートしていったのではないか」

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年8月15日放送分より)