80年前、広島で被爆しやけどを負った男性を描いた絵。男性の孫で仙台市に住む被爆者、木村緋紗子さんと彼女の証言を基に絵を描いた大学生の対談が仙台市で行われました。

 日本被団協木村緋紗子代表理事「とにかく臭いがすごいです。この臭いはありませんどこにも」

 全身にやけどを負い横たわる男性。日本被団協の代表理事を務める被爆者、木村緋紗子さんの祖父で広島での被爆後、看病を受けている様子です。奥に描かれた女の子は木村さん本人です。

 この絵を描いた岡山県出身の大学生、川崎あすかさんは広島市の高校に通っていた時に木村さんの話を聞く機会があり、1年かけて絵を描き上げました。

 描いた川崎さんと証言した木村さん。仙台市戦災復興記念館では22日、終戦80年の節目の年に被爆体験を次世代に伝えようと、2人の対談が行われました。

 川崎あすかさん「木村さんが(絵を使って)証言活動をすることが、広島県外で育った自分にとっては意味があること。自分みたいに原爆をあまり普段考えていない人たちに考えてもらうことのきっかけになるのではないか」

 日本被団協木村緋紗子代表理事「この絵を受け取った時には、涙涙でだめでしたね。これは再び(戦争を)本当にやってはならない。核兵器を作ってはならない」

 会場には川崎さんが卒業した広島の高校の生徒が描いた「次世代を描く原爆の絵」も展示され、訪れた人たちは熱心に絵を見つめていました。

 来場者「想像して描いたと思うが、リアルさがすごく伝わってきてすごく感動しました。そういう話(戦争の話)をできていないのでこれから先、反省を込めて孫たちに伝えていきたい」「今色々戦争が起きてますけども絶対、人は殺したり殺されたりするような世界であってはならないとつくづく思いました」