石破総理自らが説明しましたが、改めて7日、この決断に至った背景には何があったのでしょうか。国会記者会館から報告です。

 (政治部・澤井尚子記者報告)   石破総理は「トランプ関税協議に1つの区切りがついた今こそが然るべきタイミングだ」とし、「後進に道を譲る決断をした」と説明しました。

 ただ、取材をしていると、最後まで続投には強い意欲を示していて、8日に控える総裁選の前倒しに賛成するかどうかの署名の提出を前に、追い込まれた形での辞任表明となりました。

 8日に予定されていた前倒しの署名は過半数172で決しますが、都道府県連でも総裁選を求めるところが続々と出てきたほか、ある自民党議員は200など過半数を大きく上回る数が賛成すると話していました。

 石破総理から6日午前中に電話がかかってきたという自民党幹部から話を聞きましたが、石破総理は「参議院ではどれくらい賛成に回りそうか」など聞いたそうです。

 総理周辺によりますと、石破総理は半数を超えるとしてもギリギリか少し上回るくらいなら、総裁選に打って出て再び勝つことも考えていたと話します。

 石破総理にとどめを刺したのは後ろ盾となっている菅元総理と小泉農水大臣との6日夜の面会だとみられます。

 周辺によりますと、菅元総理は石破総理に決断を迫り、再出馬もしないように話したのではないかということです。

 事実上の退任を要求する署名の提出という踏み絵を踏ませるようなことをすれば、自民党内が分断されてしまうという強い危機感が広がっていたなかで、前夜ギリギリでの引き際となった形です。