東日本大震災から14年7カ月の歳月を経て、ようやく両親の元に帰りました。2023年に宮城県で見つかった遺骨の身元が、震災後の津波で行方不明となっていた女の子のものであると判明し、16日に両親に引き渡されました。

 カメラに向かってにっこり微笑む、岩手県山田町の山根捺星さん(当時6)。2011年3月11日、自宅で祖母といたところ津波に巻き込まれ、行方が分からなくなっていました。

 そして16日、南三陸警察署で遺骨が家族の元にに引き渡されました。その後、取材に応じた父親の朋紀さんと母親の千弓さんは「もっと子育てをしたかった」と胸の内を語りました。

 母親千弓「もっと子育てしたかったなという思いが今改めて。にこにこってママって言ってるかなって想像しています」

 父親朋紀「もっと子育てをしたかったですね、奥さんと一緒に。家族みんなで色々な所に行きたかったです」

 家まで襲ってきた津波。祖母は2階に逃げて助かりましたが、捺星さんはそのまま流され行方不明となります。探しても探しても見つからない我が子。年月が過ぎるとともに、諦めの気持ちが大きくなっていたと言います。

 母親千弓さん「表面上明るく過ごしていますけど、心の奥底には深い悲しみがずっと取れないまま、この気持ちは一生抱えていくんだという覚悟の思いでずっといました」

 2023年、南三陸町の建設会社がボランティアで道路を清掃していたところ、下あごの骨の一部が見つかり、DNA鑑定などから9月に捺星さんのものと判明します。

 9月30日、父親の朋紀さんの元に宮城県警から捺星さんが見つかったと連絡が入りました。

 父親朋紀さん「半分諦めていたので、電話が来た時は震えが止まらなくて。見つけてくれた人にすごく感謝したいです」

 母親千弓さん「欠けていたパーツがやっと組まれたような、止まっていた時計がまた動き出したようなそんな感じですかね。また4人で生活できるという思いです」