警察官をかたる詐欺の被害が全国で急増しています。今月、受け子をしたとして逮捕された40歳の男が大阪府警の元警察官だったことが分かりました。
■元警察官が“警察官のふり”
警察官を名乗る電話(9月30日午後6時ごろ) 「伏見警察署防犯課です。預金が不正に引き出されており、停止する必要があるので警察官を向かわせる」
先月末、伏見署には存在しない「防犯課」を名乗る電話が京都市に住む76歳の男性のもとに掛かってきました。電話から2時間もしないうちに自宅にやってきた男。京都府警に詐欺未遂の疑いで逮捕された住居不定の鉄筋工・川瀬豪仁容疑者(40)です。
実はこの男の以前の職業は…。
川瀬容疑者の供述 「元警察官だ」
男は大阪府警の元警察官だったのです。川瀬容疑者は警察手帳ではなく、警察手帳のようなものが写った画像を見せてきました。そして…。
川瀬容疑者 「キャッシュカードが使えないようにはさみで切れ込みを入れる」
川瀬容疑者は男性にキャッシュカード5枚を出させて、使えないようにすると言っておきながらカードの磁気部分ではない所に切れ込みを入れたといいます。これを不審に思った男性がその日のうちに110番通報し、事件が発覚しました。
川瀬容疑者は犯罪グループの中で、金銭の回収を行う「受け子」を担っていたとみられます。
■元警察官ならではの言動に注意
犯罪グループが元警察官を招き入れる心理について、元大阪府警刑事の中島正純氏に話を聞きました。
「元警察官が自分たちのグループに属していることはやっぱり心強い。警察の情報が色々入ってくるとか、そういう変なことを考えたり、元警察官だから見つからないだろう、警察に捕まることはないだろうと、この犯罪はずっとうまくいくだろうと思っていたと思う」
さらに、元警察官ならではの言動にも注意が必要だといいます。
「本当に情けない話、元警察官としてのプライドがないのかと思う。しゃべり方や身の振る舞いや、警察手帳の見せ方とかは、被害者をだましやすいと思う。警察官が家まで来て口座を使えないようにする、こんなことはあり得ない話。この時点でまずおかしいと思ってほしい」
川瀬容疑者は取り調べに対して「よく考えてから話します」と黙秘しているということです。
(「グッド!モーニング」2025年10月18日放送分より)