10年前、東北大学の大学院生が自殺したのは、大学が安全配慮義務を怠ったためだとして、遺族が東北大学に、約8500万円の損害賠償を求める裁判が、仙台地裁で始まりました。
訴えによりますと、2015年、東北大学医学部の大学院に入学した当時29歳の男性が担当の准教授に、過重な研究や雑務を強いられました。
更に外部の病院での勤務も重なったことで、極度の精神的・肉体的負荷によりうつ病を発症。その年の9月に自殺しました。
自殺する直前の1カ月間の時間外労働は、約193時間にのぼったということです。
8日に仙台地裁で開かれた1回目の口頭弁論で、男性の母親は、遺書に「プレッシャーが大きく8月に何か壊れた」「最大の親不孝をしてしまいました」などと記されていたことを涙ながらに明かしました。
男性の母親は、大学の安全配慮義務違反が自殺の原因だとして、東北大学に約8500万円の損害賠償を求めています。
一方東北大学は、訴えを退けるよう求め争う姿勢を示しました。