アメリカのトランプ大統領が27日に来日し、皇居で天皇陛下と面会しました。トランプ大統領はメジャーリーグで活躍する日本人選手を称賛し、陛下に対しては「グレイトマン」などと謝意を述べました。

■沿道に集まった人に手を振る

 大統領専用機「エアフォースワン」で、羽田空港に降り立ったトランプ大統領。紺のスーツに金色のネクタイ姿で登場すると、木原稔官房長官らと握手し、お決まりのガッツポーズを見せました。

 前日、マレーシアで“ご機嫌なダンス”を披露したトランプ大統領。羽田空港では派手なパフォーマンスをすることなく、すぐさま大統領専用ヘリ「マリーンワン」に乗り込みます。

 トランプ大統領の到着後、東京タワーとスカイツリーは「星条旗カラー」にライトアップ。街は歓迎ムードに包まれました。

「今、日本に到着しました。天皇陛下にお会いできるのを楽しみにしています」(トランプ大統領のSNSから)

 黒塗りの大統領専用車両「ビースト」に乗り換え、トランプ大統領が向かった先は皇居。2019年以来、6年ぶりとなる天皇陛下との面会に臨むためです。

 今回、トランプ大統領の動線を中心に、都心の道路は交通を規制。およそ1万8000人の警察官が動員され、過去最大規模の警備態勢が敷かれました。

 皇居周辺にはトランプ大統領を撮影しようと、スマートフォンを持った手を伸ばす多くの人の姿がありました。

 これに応えるように、トランプ大統領も沿道に集まった人に手を振ります。

 前回、トランプ大統領が来日した際の様子を取材したジャーナリストの岩田明子氏はこう話します。

「(6年前)安倍さんとトランプさん、2人で一緒にビーストに乗っていた。沿道で人々が手を振っているのをトランプさんが見て、『あれは俺に手を振ってるのか、それともシンゾーに手を振ってるのか』と安倍さんに聞いたので。安倍さんは『ドナルドに手を振ってるんだよ』と答えたら、自分もみんなに応えなきゃいけないなと言って、窓を開けようとしたら、その時にシークレットサービスがダメと」 「今回、手を振っている姿を見た時に、6年前(安倍元総理と)一緒にビーストに乗ったなということを思い出しているんじゃないか」

■陛下と記念撮影 ボタンとめられず

 皇居に到着したトランプ大統領。天皇陛下は御所で出迎え、英語であいさつを交わします。

 そのままの流れで記念撮影に。この時、トランプ大統領はスーツのボタンをとめようとしますが、とめる前にシャッターが切られてしまいました。

「(2019年)当時もトランプ大統領が国賓として日本訪問する、天皇陛下と会う。その直前にトランプさんが『シンゾーはいつも私の前でボタンをしっかり締めているけれど、(陛下と面会する際は)締めた方がいいのか』という質問をされた。安倍さんが『私の前では開けててもいいけれど、天皇陛下と会われる時には締めてほしい』と意見を言った。トランプ流の最初、右手で握手をして、その後左手を添える。トランプさんがいつも好きな人と会う時の握手をした後で、ボタンのことを思い出して、慌てて掛けようとしている姿を見て、6年前のことを思い出しました」

 6年前の晩餐(ばんさん)会では、陛下と乾杯する際にグラスを下に構えていたトランプ大統領。27日も小広間に移動した際にはスーツのボタンをしっかりとめて、陛下に敬意を払います。

■「グレイトマン」 陛下と固い握手

 およそ30分間の懇談でトランプ大統領は、安倍元総理と非常に強い信頼関係を構築したと話し、高市早苗新総理のもとで日米関係をさらに強化していきたいと語ったということです。

 陛下がドジャースの大谷翔平選手について、「大統領が大谷選手を評価する発言をされていることを大変うれしく思った」と触れると、トランプ大統領は「ピッチャーも良かった。日本は最近、良い選手をメジャーリーグに送り込んでいる」などと答えました。

 それに対し陛下は、「日本人の選手がアメリカ社会で温かく受け入れられ感謝している」などと述べられたということです。

 別れ際、トランプ大統領は陛下に対し、「グレイトマン」と謝意を口にしました。

 高市総理は28日、日米首脳会談に臨みます。

「トランプ大統領、ようこそ日本へ。あすお会いし、偉大な日米同盟を一緒に一層強化していくための議論ができることを楽しみにしています」(高市総理のSNSから)

 高市総理は大統領専用ヘリ「マリーンワン」に同乗し、横須賀基地の視察も行う予定で、強固な日米同盟をアピールします。

(「グッド!モーニング」2025年10月28日放送分より)