イノシシやシカといった野生鳥獣の肉をフランス語で「ジビエ」と言います。このジビエの普及を目指すセミナーが宮城県大崎市で開かれました。

 ジビエの普及啓発に取り組む「国産ジビエ認証機構」が19日開催したセミナーには、東北地方の自治体や保健所の職員などおよそ40人が参加しました。

 大崎市岩出山のこの食肉処理加工施設は東北初のイノシシ専用の加工施設で、より高い衛生管理が求められる農林水産省の「国産ジビエ認証」を取得しています。

 参加者らはまず、解体を行う部屋や、肉の乾燥や熟成を行う部屋を見学。

 その後、施設スタッフによる解体処理の実演が行われました。

 参加者・青森県西目屋村職員「同じように『ジビエ工房白神』という加工施設を整備しているので、活用方法を知ることができて良かった」

 大崎市ではイノシシの捕獲量が急激に増え、農作物の被害も拡大したことから、2年前、出没が特に多い岩出山地域にこの施設を整備。鮮度を保ったまま熟成・加工・真空パックまで行い安全・安心なジビエ肉「大崎ジビエ」としてブランド化して市内の道の駅などで販売しています。

 大崎市農村環境整備課・松木慎雄有害鳥獣対策専門員「こういった施設が多くできて、利活用だったり有害鳥獣の減少につながればと思っています。(大崎ジビエは)臭みのなく旨味の強いイノシシ肉となっておりますので、ぜひ一度口に運んでいただければと思います」

 農林水産省の「国産ジビエ認証」制度は2018年創設で認証施設は全国32カ所、宮城県内ではこの大崎市の施設のみです。