クジラの適切な資源管理に生かすため、南極海で個体数などを調べる調査船が宮城県の塩釜港を出港しました。

 第二勇新丸と第三勇新丸には、日本鯨類研究所の調査員など約40人が乗り込みました。

 調査船は約1カ月かけて南極海に到着し、目視による個体数の確認など大きく7項目にわたってクジラの生態を調べます。

 このうちバイオプシーと呼ばれる調査では、専用の器具をクジラに放って表皮を採取して遺伝情報からクジラのグループや性別などを調査します。

 また、衛星の発信機をクジラに取り付け、移動経路を追跡することで餌場や繋殖域などを調べます。

 日本鯨類研究所磯田辰也調査団長「南極海という自然環境が厳しい中での調査となりますが、質の高いデータを収集できるよう、そして鯨類の資源管理に有用な情報が得られるように頑張ってまいります」

 調査は、日本が2019年に国際捕鯨委員会=IWCを脱退した後も独自に続けていて今回で7回目です。

 得られたデータはIWCにも提供され、クジラの適切な資源管理に生かされます。