緊迫する中東情勢が観光にも影響を及ぼしています。人気観光地で何が起きているのか。「異変」を取材しました。
■何が?日本の観光地に異変
日本は今、空前のインバウンドブーム。年間185万人以上が訪れる東京・上野の人気観光地「アメ横」。今や客の7割が外国人だといいます。
しかし今、ある“異変”が起きているといいます。
アメ横商店街連合会 千葉速人副会長 「外国人の観光客、人出が若干減っているような気がする。イラン攻撃でだいぶ減って、それが影響しているんだろうなと。1割くらい感覚的にやっぱり減っているなと」 「(Q.イラン攻撃で?)そうですね」
特に減っているのがヨーロッパからの観光客だといいます。なぜ、遠く離れた中東の戦火が日本の観光に影響しているのでしょうか。
理由の一つとして考えられるのが“航空機のルート”です。
ドバイ旅行を中止し日本へ ポーランドから来た人(30代) 「ポーランド航空やヨーロッパの航空会社でドバイ行きの便が欠航になった。多くのポーランド人がドバイで足止め、空の便が使えないので」
イラン情勢の激化を受け、中東の上空には航空機の姿がほとんどありません。
ヨーロッパから日本へ向かう航空機の多くは直行便ではなく中東の国を経由しています。しかし、現在は中東の空域を避ける動きがあり、飛行時間や運航のコストが増える可能性も。そのため、旅行への影響が出ているとみられます。
オーストラリアからケニアへ行く予定がある女性も…。
オーストラリアから来た人 「ドバイで乗り換えてケニアまで行くはずだけど、今回は駄目になるかもしれないから、南アフリカに行ってケニアに行くかな。(迂回(うかい)すると)2日間くらいかかる」 「(Q.ドバイからだと?)次の日に着く。18時間くらいで着ける」
ドバイを経由できないことで3倍近い時間がかかることになります。
■イラン攻撃 京都の旅館にも…
明治時代から続く京都市の老舗旅館にも影響が出ていました。
和のぬくもりが感じられる部屋に、解放的な露天風呂が自慢の宿ですが…。
もみぢ家 女将 浜田いづみさん 「赤がキャンセルが入った分にはなるんですけれども、3月末から4月上旬にかけてキャンセルが増えたかなと。(イランへの)攻撃の翌日、翌々日ぐらいにキャンセルが入ってきたので、先を考えてお客様がキャンセルの判断をされた人もなかにはいると思います」
イランへの攻撃が始まった先月末以降、ヨーロッパからの宿泊キャンセルが6件ほど相次ぎました。
その後、キャンセル分の予約は埋まったものの、桜シーズンを前に観光地には不安も広がっています。
もみぢ家 女将 浜田いづみさん 「長引けば長引くほど影響は大きくなるので今のところ何とか、この調子でと思っているが、これ以上、長引かないことを願っている」
■急きょ“日本経由”に変更も
旅行を控える人がいる一方で、別の変化も起きていました。
宿で出会ったのは、シンガポールから来た2人。
シンガポールから来た人(30代) 「私たちは日本に来るつもりじゃなくて、ジョージアに行こうとしてた。でも飛行機の便が欠航になったの。(予定していた)飛行機と宿泊をキャンセルして日本に来たんです」
シンガポールからカタールの空港を経由でジョージアへ向かう予定でしたが、中東情勢の影響で欠航。行き先を日本に変更しました。
シンガポールから来た人 「(Q.この旅館と京都はどうですか?)とても素晴らしいです」 「とても良いです」
今、世界の観光ルートが少しずつ変わり始めています。
イギリスから来たカップルはベトナムを旅行していたさなか、イランへの攻撃が始まったといいます。
イギリスから来た人(30代) 「クレイジーな話だよ。ベトナムにいたけど、中東の状況で出られなくなった。カタールの航空が閉鎖されたんだ」
中東経由で帰ることができなくなり、急きょ日本経由に変更。ついでに観光を楽しむことに。
イギリスから来た人 「中東経由で帰れないと分かった時、日本での滞在を長くしたくなった」 「広島、大阪、京都、東京」 「(6日間?)疲れた」 「(Q.楽しめた?)イエス。日本は素晴らしい。本当に、本当にすごい。日本に住みたくなった」