宮城県は5月、新しい津波の浸水想定を公表する予定です。この新しい想定では、浸水範囲が拡大する見込みで、市長会は県に対し住民への丁寧な説明や、避難施設を整備する際の財政支援などを求める要望書を提出しました。

 県は、5月10日に東日本大震災級の地震が満潮時に起きた場合の津波の浸水範囲や、深さ、到達時間などを地図上に表記して公表する予定です。

 防潮堤の破壊や地盤沈下も考慮し、最悪のケースを想定したものです。

 新たな想定では、浸水の範囲が震災の津波よりも拡大するとみられ、沿岸部の市や町では避難計画や町づくりの見直しを迫られることも考えられます。

 これを受け28日、市長会の会長を務める大崎市の伊藤市長や石巻市の斎藤市長、名取市の山田市長ら計5人が県庁を訪れ、遠藤信哉副知事に要望書を提出しました。

 要望は、住民や自治体に丁寧に説明することや、情報の共有、そして避難施設を再整備する際の財政支援の3項目が盛り込まれています。

 要望書を受け取った遠藤副知事は「今までのまちづくりに誤りはない。浸水想定の公表で誤解のないよう住民に説明していきたい」と回答しました。

 斎藤正美石巻市長「ここは大丈夫だろうと思って復興団地を作った。その区域も(想定に)入っている部分がある。ではなぜここに作らせたのという住民が不信を持つのが一番だと思う」

 山田司郎名取市長「避難所の1階が使えない屋上しか使えないとか、防災計画や避難マニュアルは見直しをしなければならない」