2020年9月、インターネットを通じて犯行を依頼され、宮城県柴田町の住宅で男性を殺害したとして殺人の罪に問われている46歳の男の初公判が仙台地裁で開かれました。

 検察側は「1000万円で犯行を引き受け殺害に及んだ」と指摘しましたが、男は「殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認しました。

 殺人の罪に問われているのは愛知県岩倉市の無職、森満被告(46)です。

 起訴状によりますと森被告は2020年9月、柴田町北船岡の住宅で、山元町の建設作業員、岩見尭明被告(28)と共謀の上、この家に住む毛利哲雄さん(当時74)の左腹部などを包丁で刺して殺害した殺人の罪に問われています。

 9日の初公判で森被告は「毛利さんの脇腹を刺して死亡させたのは間違いないが、殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認しました。

 検察側は毛利さんの長男とトラブルになり恨みを持っていた岩見被告が、メッセージアプリで氏名不詳の第三者に長男への復讐を依頼。

 金に困っていた森被告が、その第三者からの依頼を1000万円の報酬で引き受けた上で犯行当日、玄関先に出てきた毛利さんを長男と間違って、包丁で突き刺したと指摘しました。

 一方、弁護側は、森被告が犯行の依頼を受けた時点では、殺害するとは聞いていなかった。断れば報復を受けるのではないかとの不安から犯行に及んだもので、殺人罪ではなく傷害致死罪であると主張しました。

 9日の裁判では、森被告は犯行後氏名不詳の第三者と連絡が取れなくなり、報酬を受け取っていないことも明らかになりました。