宮城県南三陸町のワイナリーで、海中で熟成させたワインを楽しむイベントが行われました。

 深さ約10メートルの海中から引き上げられた、ワインのボトルです。

 養殖で使われるネットに入れて、カキだなからつるして海中で眠らせていました。

 海中熟成ワインは、南三陸ならではのおいしいワインを作ろうと南三陸ワイナリーが企画しました。

 11日、2021年の10月と2022年1月に沈めた計180本を海中から引き上げました。

 海中の水温は、真夏でも20度を下回るためワインの保存に適しているといいます。

 また、他にも理由が。

 南三陸ワイナリー佐々木道彦代表取締役社長「色んな海の中の生き物の音だったり、船が通れば船外機の音、あるいは岩に何かが当たる音、あるいは泡の音とかいろんな音が常に微振動としてワインに伝わっていて、ワインの分子レベルで均一化がされやすくなるってことが最近分かってきています」

 このような特性から、海中では地上の3倍ほどの早さで熟成するということです。

 前田さつき記者「海中熟成ワインの洗浄作業では、まずはネットからワインを取り外します。そして取り外したワインを括り付けられた紐を取りまして、そのあとにバケツの中できれいに洗っていきます」

 船から陸に戻った参加者は、引き上げたワインを1本1本丁寧に洗っていました。

 洗浄作業の後はワイナリーの中のレストランに移動して、ギンザケやタコなど南三陸の食材を使った特製ランチと海中熟成ワインを堪能しました。

 参加者「長い時間をかけてできあがったワインと思うと、一層おいしく感じられます」

 南三陸ワイナリーでは、全国の人に味わってもらえるように海中熟成ワインの本数を増やしていくということです。

 khbが事務局を務める宮城海ごみなくし隊では、海の豊かさを守る取り組みを進めています。

 今回引き上げられた海中熟成ワインは、海ごみなくし隊とのコラボ商品として今後販売を予定しています。