宮城県内では、感染が急拡大した影響で、本来入院が必要な、高齢の感染者の中には入院ができず、介護施設で療養をする状況が生まれています。

 東松島市の高齢者施設、はまなすの里です。

 ケアハウスやグループホームで、48人の高齢者が暮らしています。

 施設で最初の感染者が確認されたのは今月2日。

 ただ、先月下旬にはその予兆とみられる異変がありました。

伊藤寿志・理事長「(先月下旬)利用者さんから咳が出ていたみたいで、高齢の方って食べ物とか、自分のつばとかでも、誤嚥しちゃって、咳が出ることがあるので、それなのかなって判断していたんですけれども、結果そこが、利用者の感染のスタート」

 最初の感染者が確認された日から、家族との面会や、デイケアサービスを停止。

 最終的に職員45人と利用者48人のうち、16人が陽性になり、クラスターと認定されました。

 利用者で陽性になった6人のうち、90代の男女2人は、体調が悪化したため入院しましたが、他の4人はコロナ病床の空きがないため入院できず、施設で療養することになりました。

伊藤寿志・理事長「新規感染者を出さないようにする必要があるので、陽性になれば当施設は全員個室ですので、そこで生活を完結させるという対応をとった」

 厨房で作っていた食事は、食べ残しから感染が広がる恐れがあるため、使い捨て容器に入った宅配の介護食に切り替えました。

 入居スペースは10人ごと4つのユニットに分かれていて、利用者と職員とも他のユニットへの行き来を取りやめ、職員はそれぞれのユニットの非常口から建物の中に出入りする工夫をこらしました。

伊藤寿志・理事長「現場職員にとって、働く職員が限られて、さらに身を削られるように職員が自宅療養に入っていって、だけども入院できる利用者さんも限られていて。応援要請はしたんですけれども、応援を受けずに限られた職員たちが頑張って乗り越えたという状況です」